Place 37 明けない夜 �� ページ42
身体が…重い。
深く暗い海の底に引きずり込まれる様な…いや、違う―――
そんな綺麗な物じゃなくて、底なしの泥沼のような
暗くて、手足の自由を奪われる様な 辛くて 悲しい…そんな闇の中に
“オネガイ……タスケテ―――”
パンッ！！
ハッと我に返り、顔を上げる理玖。
その顔は青白く、青紫の瞳は虚ろであった。
そんな理玖の背を叩き、引きずられかけた意識を呼び戻す天照。
「お帰り、理玖」
「―――……アマテラス 様？」
途端、身体を縛る鎖が落ちたかのように、軽くなる。
「お仕事かい？」
「はい―――祓いの…」
ぼさぼさの白髪の青年が、ニコリと微笑む。肩まで伸びた黒のメッシュ髪がさらりと白い着流しの上を滑った。
「理玖は―――優しいね…祓い屋にしては優しすぎる。だから、色んな哀しみを、惹きつけて背負ってしまう」
「―――哀しみ？」
首をかしげる理玖に、天照はどう説明するべきかと顎を抱えた。が、直ぐに開き直ったように朱をさした目尻を細めた。
「まぁ、つまりは―――“気を付けて”と言う事だよ。その黒い靄が、いつか君を呑み込んでしまうよ」
「黒い靄が…俺を、呑み込む？」
ニコリと微笑むだけで、それ以上を語らず廊下の奥へと消えていく天照を、理玖は不思議そうな目で見送った。
・
・
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月光に輝く長刀の刃が、美しいラインを描く。
祓いの力を纏ったそれが、次々とメレッド認定を受けた妖を斬り祓ってゆく。その日は見習いとして、理玖の“仕事”に同行していたランは、学校で冗談を交わすいつもの彼からは想像の出来ない“祓い屋”の顔に、息を呑み込んだ。
「凄い―――」
先程から、それ以外の言葉が見つからない。
ランや理玖達の通う養成学校の学生達の中で、実際に“祓い屋”として既に仕事をこなしている者は少なかった。中でも理玖は、一人での任務を認められ、且つこうして見習いの指導を任されるほどである。祓いの現場は、もっと恐ろしいものだと思っていた。だが、光を反射する刀筋は美しく、彼女の想像を凌駕していた。
Place 37 明けない夜 �□�←【attention】 （3.2.14）
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名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» 了解です！ (2021年2月14日 22時) (
レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 桜雲さん» リクエスト有難うございます！そして毎度、鈴花さんを我が子のように登場させて頂いており、感謝しております！！是非書かせて頂きます！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 名無しのチートさん» ご指摘有難うございます！右手記載のあった2か所を修正させて頂きました。また気になる点がありましたら、ご指摘下さい！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
桜雲(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています！リクエストなのですが、もしよろしければ鈴花vs理玖さんが見たいです！お体に気を付けて頑張ってください (2021年2月14日 22時) (レス) id: a765f4403f (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» すみません...すっごい言い忘れてました...サンズ左利きです......(すごい今更感) (2021年2月14日 21時) (レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
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