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「ご馳走様です」
「え？
先輩
それ残すんですか？」
「ごめんなさい
さすがに
男の人と同じ量は食べれないよ」
「食べていいっすか？」
「もちろん
むしろありがとう」
「やった
いただきます」
そう言って
私が食べ切れなかったものを
「うまっ」
と言いながら
リスのように食べる
「良く食べるよね」
「へ？
だめですか？」
「ううん
私はいいと思う。
最近の男の子って食が細い子とか
食事に興味がない子とか多いじゃん？
そういうの
ちょっと残念...
食べることって
楽しみだと思うから
櫻井くんみたいに
美味しそうに食べるのっていいよね」
なんか
語ってしまった
「...」
キャロットグラッセを
口に入れようとしたところで
櫻井くんはあーんと口を開けたまま
固まっている
「ご
ごめん
食べて食べて」
「あ
はい...」
もぐっ
と
口に入れて食べ始めた
とはいえ
智さんも
食は細い方だからな...
なんか
新鮮
「ご馳走様でした」
この子は食べ終わる時も
きちんと手を合わせる
「てか
A先輩って
出身どこですか？」
「え？
横浜だけど」
「やっぱり」
「？
なんで？」
「さっき
語尾に『じゃん』って
付けてたから」
「えぇー
他の出身地の人も使うでしょ」
「いやー
東京ではなかなか」
うわ
やっぱり
東京の子か
「東京のどこ？」
「港区です」
はい
お金持ち確定
「さすがです」
「ふはっ
俺じゃなくて
親がそういう職業なだけですよ」
「へー
どんな？」
「父が公務員で
母が教師です」
「まぁ
なんてご立派な」
うちと大違いですわ
感心していると
「俺の見方変わりました？」
ちょっと不機嫌な顔をする
「なんで？
親御さんは親御さん
櫻井くんは櫻井でしょ？
自分でもそう思うんでしょ？」
「...そうですけど」
「じゃあ
いいじゃない」
なんだか
ふに落ちなさそうな顔の櫻井くん
気になるけど
時計を見ると
始業時間まであと10分
「さぁ
そろそろ戻ろうか」
伝票を持って立ち上がる
「あっ
ありがとうございます」
お礼を言われ
「大丈夫
これ経費で落とすから」
と
笑うと
「そうじゃなくて」
と
笑う櫻井くん
「え？」
「いいえ
ご馳走様でした」
また
更に
にこりと笑う
.
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ことら(プロフ) - コメントありがとうございますm(__)mとても励みになりました！頑張ります。 (2020年1月26日 20時) (
レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 色々と複雑な気持ちの中で書き続けてくれてありがとう。私は潤担なので比べ物にならないけど心中お察し致します。辛い時は休んでいいです。ゆっくりでも最後まで更新して頂けると嬉しいです。 (2020年1月26日 11時) (レス) id: 70b1e6f34a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2019年12月5日 7時
