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｢すみませんすみませんすみませんお手数かけて本当すみません｣
｢いや、謝りすぎだって｣
笑いながらそう言う前髪の長い好中球さん｡こっそりナンバープレートを盗み見たところ、彼は2626番さんというらしい｡
腰が抜けて立てなくなった私をヒョイッと抱き上げてベンチに座らせてくれた張本人｡
申し訳なさでいっぱいだ｡
｢それで?｣
4989番さんに促されて、私は話し始めた｡
｢先ほどは助けてくださりありがとうございました｡本当はずっとお礼を言いたかったんですけど、周りの目があってなかなか言うことができなかったんです｣
2人が頷きながら聞いてくれるので、調子よく話してしまう｡
｢小さい頃から好中球さんたちに憧れてて、いつかお友達になれたらって思ってたんです｡でも先輩たちは皆さんのこと怖がってるみたいだから、言い出せなくて｡まあ、言い訳でしかないんですけど｡周りから浮かないように、目立たないようにってことばかり考えてて｡ミヤちゃんとは大違い｣
｢ミヤちゃん?｣
2626番さんに尋ねられたものだから、私は胸を張って答えた｡
｢同期の赤血球です｡ものすっごく可愛いんですよ!いつも一生懸命で見てる私まで元気をもらっちゃうんです｡ミヤちゃんは誰とでもすぐ仲良くなれて、身分とか全然気にしないんです｡あとある好中球さんととっても仲がいいらしくて、よく話してくれます｣
｢本当に大切なんだね、その子のこと｣
｢ええ、もちろん……ってごめんなさい、私ばっかりいっぱいしゃべっちゃって!お2人ともすごく話しやすくて｣
もう自分が嫌になる｡
すぐ調子に乗ってたくさん話してしまう｡直さなきゃ、とは思ってるんだけど｡
｢気にしないで?君の話、聞いてて楽しかったよ｣
｢そうそう｡大体話しやすいなんて言われたの初めてだよ｡ありがとね｣
なんていい人たちなんだ……!
ミヤちゃんが言ってた通りだ｡
｢おい、お前ら何してんだ!｣
怒鳴りながらこちらに別の好中球さんが向かってくる｡
何事……?
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年9月19日 17時
