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ベンチに座ってぼーっとしながら、さっき買ったグルコースを食べる｡あー、おいしー｡至福のひとときって多分今のこと言うと思う｡
あとは肺に二酸化炭素持っていくだけだし、もうちょっとゆっくりしてたってばちは当たんないよね｡
私がのんびり休憩してる中でもせっせか働いているの血球たちを眺めながら、ゆっくりとグルコースを舐めていると｡
｢Aちゃん｣
｢アーイ!?｣
耳元でとってもいい声が聞こえた｡びっくりして思わずおかしな返事をしてしまった｡恥ずかしい｡なんだよ、アーイって｡私はラッパーか?もういっそ転職する?まあ無理だけど｡
あーあ、グルコースまで落としちゃった｡まだ半分しか食べてないのに｡グルコースは3秒ルールの適用外かな｡
ゆっくり休んでた私が悪いのかこれ｡これがばち?さすがに心にくるわ｡
にしても、もったいないな｡さっきの自販機じゃラスワンだったのに｡このグルコース食べたかった子ごめんね、他の自販機を当たってくれ｡
後ろを振り返るとニッコリ笑顔がよくお似合いの26さん｡ごめんごめんって口では言ってるけど、絶対悪びれてないよね?さっきも語尾に音符マークついてる気がしたんだけど｡
｢26さん、こんにちは｣
｢はい、こんにちは｡本当ごめんって｣
不機嫌さが声ににじみ出てたのかまた謝られる｡前髪で目が見えないけど絶対楽しんでますよね?ね?
｢別に怒ってないです……｣
｢信憑性がないよ｡そういや、Aちゃんって呼んでも顔赤くなくなったね｡慣れた?｣
｢そりゃあ、あれだけ呼ばれれば耐性つきますよ｣
会うたびに手を握られたまま名前を連呼されれば、そりゃあ慣れるよね｡うわ、恥ずかしくてこれ以上思い出したくない｡
｢え〜照れてるAちゃんも可愛かったのにな〜｣
｢……26さんって意外といたずらっ子気質なところありますよね｣
ニヤニヤ笑いで面白がっているのは明白なので、ペースを乱されないよう話題をそらす｡
そうかなって言ってるけど表情で分かりました｡自覚してますね｡
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年9月19日 17時
