【はたらく細胞】ズッ友くんと同期ちゃん (ページ34)

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｢あっれれー、Aちゃんじゃん!こんなところで何してるの?｣
｢よ、49さん?｣
｢えっ、どしたの!?泣きそうだよ!?｣
目を開けると、目の前には49さんがいて私を覗きこんでいた｡思わずほっとして、涙がにじんでくる｡やだ、見ないで恥ずかしい｡
49さんがぐしぐしと袖で涙を拭ってくれた｡あんまり涙出てないし制服ごわごわでちょっと痛いけど、泣き顔晒すよりはずっとマシだ｡
｢な、何なんだよ!白血球がなんか用か!?｣
｢邪魔すんじゃねえよ!｣
49さんの影でよく見えなかったけど、あの2人はまだいたらしい｡もう嫌、しつこいよ｡しつこい奴はモテないって誰かが言ってたぞ!
自分の服の裾を掴んだ私を見て、49さんは私を背中に隠してくれた｡
｢ねえ君たち｡この子が可愛くてナンパしたくなっちゃうのは分かるけど、強引にってのはだめでしょー｡泣かせちゃうとか論外だよ｣
ぐっと一瞬言葉に詰まってからまたわめき出す彼ら｡その一瞬の間は何だったの?
しかし突如、ワーワー騒いでいた2人が静かになった｡49さんの後ろから少しだけ顔を出してみると｡
｢ねえ、俺らの友達になんか用?｣
｢寄ってたかってさあ｡ダサいよ｣
2人の肩に手を置いてニッコリ笑っている26さんと20さんが目に入った｡わ、目が笑ってないと、こんなに怖いんだ｡
案の定ガタガタ細胞たちは震えていて、手が離れた途端お互い競い合うように逃げていった｡言っちゃ悪いけどとても無様だった｡
｢はああ～……｣
安心して私はへなへなとその場に座りこんでしまった｡また助けてもらっちゃったな｡申し訳ない｡
｢大丈夫、Aちゃん?｣
｢おかげ様で……｡ありがとうございます、ご迷惑かけてすみません｣
26さんが手を差しのべながら聞いてきた｡ありがたく手を借りて立ち上がると、縮こまりながらお礼を言う｡
｢全然!でもAちゃん、気をつけなよ?ああいう奴ら少なくないんだからさ｣
｢はい……｣
49さんにそんなこと言われて、反省するしかなかった｡似たようなことキラーTさんにも言われたな｡気をつけようがないけど善処はしよう｡
ところで、49さんがナンパがうんたらとか言ってたけど、何で可愛くもない私をあの2人は狙ったんだろう?