松田刑事_4 ページ22
「私たち刑事は、犯人を捕まえ、自供させるうえで、荒っぽい発言や行動をすることは当然あります。
私たちは、強盗や強行犯を相手にしてるんです。
でも、不当に暴行を加えたり自白を強要するなんてことは、ありません。」
松田に続いて、きっぱり佐藤が答える。
それはそうだ。
凶悪な犯人を目の前にして、
やんわりと会話、などする訳がない。
そんなことは葵も分かっている。
問題は、どれほどの不必要な不当行為があったか、だ。
『最初は否認をしていたようですが、自白を始めたきっかけは何か心当たりはありますか?』
「防犯カメラの映像と、店員や客の目撃証言から状況証拠は充分で、アリバイもない。
凶器に使われたナイフは、木本の自宅付近で見つかってる。
言い逃れできねぇって思ったんだろ。
最初は一人で部屋にいたと言ってたが、だんだんそれも信憑性がなくなってきたしな。」
『どういうことですか…?』
「帰宅時間が、二転三転したんだよ」
その言葉にすっと息を飲む葵。
留置場での面会時と同じく、
メモを取り続けていた神山も、一旦手を止め、松田の方へ視線を向けた。
「あー。これ、言っていい話か…?」
確認をとる松田に、佐藤は「まぁ、事情が事情だし…。これ以上の話はSTOPね。」と承認する。
「まぁ、詳しいことは言えねぇが、話に矛盾があってな。
決定的な証拠は確かにつかめてねぇが、状況証拠は揃ってる状況で、
じわじわ自供を始めたってとこだ」
『なるほど。そうでしたか。』
聞いた話の内容は、当然口外しないことを約束し、
葵たちは部屋を出た。
佐藤と松田が捜査一課に戻るっていくのを確認し、
『ごめん、ちょっと寄ってくね』
と、葵は神山に声をかけた。
「え?」
『情報収集、よ』
そう言って葵は、廊下で立ち話をしていた若い男性2人に声をかける。
『すみません。捜査一課の方ですか?』
捜査一課のオフィスが近いこともあり、
確かに関係者の可能性もあるが、
えらく唐突だな、と神山は思った。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時