【鬼滅の刃】心無しの唄

肆話 可哀想な彼 ページ4

「本当は分かってるんでしょ？」

「Aちゃんは賢いから」

膝をつき私の顔を覗き込む

虹色の瞳は私を映していた


「そうだよ。よく分かったね」

そう言うと花が咲くようにパァと笑う教祖様

「やっぱりそうなんだね！」

「それじゃあなんで頭の悪いフリをするの？」

「君ならあんな母親捨てて生きていける技量はあるだろうに」

確かに母親を捨てることだって出来るよ私ならね

でもね、賢く生きても結局は子ども

苦しい思いをするのは目に見えてる


「その方が周りが優しいのよ」

「可哀想な子を演じれば優しくしてくれる」

「私はね都合よく生きていたいの」

「だからね、教祖様。色んな人を救ってあげてよ」

「そうすれば私が幸せになれるのよ」


教祖様が人を救えば人は増えて教団も大きくなる

そうすれば金も入り私も苦労なく生きれる

私は貴方が人を救えるような人間だなんてこれっぽっちも思っちゃいないの

ただ周りに勝手に祀り上げられた可哀想な子ども

それに、貴方からは気持ちが一切感じられない

喜怒哀楽がある様に見えるけどある風に見せてるだけだ


どんなに素敵な戯言を言っても私たちは可哀想な子どもってことには変わりない

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