48:雨に抱かれて ページ48
*
窓の外では一層激しさを増した雨が
この部屋でたった2人だけの世界を創り出して。
「A、愛してる…」
「わ…たしも…っ」
「ちゃんと言って？」
「私も…愛してる…ﾄﾞﾝﾍ。ずっと…好きだったの」
やっと言えた。
小さく"よかった"と囁いて優しく微笑んだﾄﾞﾝﾍは、
雨で張り付く髪を梳きながらおでこに、鼻先に、そして唇に
軽く触れるキスを何度もして。
だんだん深くなるキスはその先を予感させる。
手放そうと決めて離れて、だけど離れれば恋しくて…
キスの仕方も、絡まる舌も、
心と身体に染み付いたﾄﾞﾝﾍの香りも抱きしめる腕の強さも
二度と感じることは無いんだって思えば、
張り裂けそうなくらい胸が軋んだ。
雨が降れば余計に切なくて。
ドアベルが鳴るたびにあのはにかんだ笑顔を思い出してまた、切なくて。
でも…その切なさを感じる自分も嫌いじゃなかった。
だって、胸が痛むうちは忘れないでいられたから。
何度目かのキスの途中…
「今日は…ずっと一緒にいてもいい？」
「ん…いいよ」
今度は私から。
両手で頬を包んでキスを贈る。
少しだけ驚いて。
すぐにニッと笑ったﾄﾞﾝﾍが、私を抱き上げた。
「え、きゃっ」
「やばい、嬉しい！」
「え？」
「初めてAからしてくれた」
「///」
私を抱き上げたままクルッと一回りしたﾄﾞﾝﾍは、
そのまま軽々と私をベッドに運ぶ。
そっと下ろされたベッドが、2人を受け止めて小さく鳴いて。
「どうしよ…」
「ん…？」
「夢みたいで…保たないかも」
保たないって…？
ﾄﾞﾝﾍがいう意味が一瞬わからなくて。
キョトンとする私に、ﾄﾞﾝﾍがチラッと下に向けた視線。
「もう！やだ///」
「あは、ごめん…」
恥ずかしさで顔を覆う私の両手は、
ﾄﾞﾝﾍの手に捕まってシーツに縫い付けられた。
さっきの子供みたいに笑ったﾄﾞﾝﾍはもういなくて、
睫毛を伏せて近づく顔はゾクゾクするほどの色気を纏って…
すぐに深くなるキス。
確かめるように、何度も何度も優しく触れる手。
私に溶け込む時の、甘く囁くような吐息。
私を揺らす時の、少しだけ切羽詰まったような表情。
彼の全てが、愛おしくて涙が溢れる。
「泣かないで…」
「ん…ちがうの、幸せで…」
好き過ぎても、涙が出るのね…
「A…」
「もっと…もっと、ﾄﾞﾝﾍ…」
逢えなかった時間を埋めるように…
雨に抱かれて、何度もひとつになった。
*
Last:HappyEnding〜LT〜→←47:始まりはいつも雨〜dh〜
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りゅう(プロフ) - さくらこさん、ステキなお話をありがとうございました♪ブラックドンヘ？？と思いながら読み始めましたが、ステキなラスト♪ほんまにさくらこさんのドンヘをはじめとするメンバーへの愛が溢れてました♪またお話楽しみにしてます♪暑いからお身体ご自愛くださいませ♪♪ (2015年8月7日 15時) (
レス) id: 8614525c3d (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ちかさん» ちかさん、コメントありがとうございますm(_ _)mトゥギもドンヘも実際どんな感じなんだろう…妄想の中だけでも、こういう人なんだと思いたいですよね〜。これからもたのしんでいただけるように頑張ります！ (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - よぅちゃんさん» よぅちゃん、コメントありがとうございますm(_ _)mコメント欄がトゥギを偲ぶコメントで溢れて…いつかちゃんとトゥギも幸せにしてあげなきゃね^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - さるるんさん» さるるんさん、コメントありがとうございます！お、さるるんさんのお話読ませていただいてますよ！嬉しいいです！ (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん、コメントありがとうございます！レス遅くなってごめんなさいm(_ _)mトゥギは私のお話の中でいつもこういう役回りなのでちゃんと幸せにしてあげないといけないですよねwwいつかトゥギも書けるかな^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらこ
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2015年5月26日 15時
