Last:HappyEnding〜LT〜 ページ49
*
「雨、本格的になってきましたね」
「ああ…」
「ドンヘヒョン、明日のリハまでには戻って来るんでしょうね」
「まあ大丈夫だろ」
「…だといいんですけど」
「ヤボなこと言うなよ。やっと会えたんだからさ」
「ふ…やっぱり鰯は魚に甘いですね」
「やー!黙って聞いてりゃマンネのくせに!」
窓の側でヒョクチェとブラックマンネがじゃれ合うのを
ソファーに腰掛けてぼーっと眺めていたら
隣にドカッと腰を下ろしたヒチョルが容赦なくオレを抱き寄せた。
「ジョンス…」
「んー」
「ホントによかったのか?」
「なにが?」
「なにってお前…」
「…最初からあの2人はこうなる運命だったんだよ」
「その割切なそうな顔してるくせに…」
バレてたか…
やっぱりお前には敵わないな。
オレだって…久しぶりに彼女を見た瞬間、
やっぱり好きな気持ちは変わってはいなくて驚いた。
けど…
自分勝手に始めて自分勝手に終わらせたのはオレで。
その結末くらい、ちゃんと演出してやらなきゃ。
「しかし、地方のドサ回りみたいな仕事なんで受けたのかと思ったら
まさかこういうことだとはな。やるな、お前も」
「可愛い弟のためだからな」
いや……結局は自分のためだったのかも。
想い合う2人を引き裂いた事への贖罪。
そうする事で、罪を逃れようとしてるんだよ。
ずっと抱えてた胸の重りを、やっと下ろせるってホッとしてた。
「大丈夫だよ。そんな事くらいじゃ地獄にゃいかねーよ」
「なんだそれ」
軽く受け流したけど……
やっぱりお前には敵わないな。
てか……
「お前もしかしてエスパーか?」
「は?何言ってんだよ」
うん、そんなわけないよな。
次の日、やけにスッキリした顔で戻ってきたドンヘを見ればまだ少し胸は痛むけど。
それ以上に、うまく行った2人にホッとした。
メンバーにからかわれるドンヘはホントに幸せそうで。
目が合えば、ウルウルと瞳を潤ませて駆け寄ってきて
オレをギュウギュウと抱きしめる。
「ヒョン、ヒョン!!」
「なんだよ、うっとおしいな」
「ヒョン、愛してる!」
ぶつかるように頬にポッポして、またすぐにヒョクチェに抱き着く。
「ったく…お花畑だなあいつ」
悪態吐くヒチョルも嬉しそうで。
この時初めてオレは安堵した。
どうかこのまま。
2人が幸せになることを願って、
この甘く切ないストーリーはハッピーエンディングを迎える。
………END………
*
661人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りゅう(プロフ) - さくらこさん、ステキなお話をありがとうございました♪ブラックドンヘ??と思いながら読み始めましたが、ステキなラスト♪ほんまにさくらこさんのドンヘをはじめとするメンバーへの愛が溢れてました♪またお話楽しみにしてます♪暑いからお身体ご自愛くださいませ♪♪ (2015年8月7日 15時) (レス) id: 8614525c3d (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ちかさん» ちかさん、コメントありがとうございますm(_ _)mトゥギもドンヘも実際どんな感じなんだろう…妄想の中だけでも、こういう人なんだと思いたいですよね〜。これからもたのしんでいただけるように頑張ります! (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - よぅちゃんさん» よぅちゃん、コメントありがとうございますm(_ _)mコメント欄がトゥギを偲ぶコメントで溢れて…いつかちゃんとトゥギも幸せにしてあげなきゃね^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - さるるんさん» さるるんさん、コメントありがとうございます!お、さるるんさんのお話読ませていただいてますよ!嬉しいいです! (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん、コメントありがとうございます!レス遅くなってごめんなさいm(_ _)mトゥギは私のお話の中でいつもこういう役回りなのでちゃんと幸せにしてあげないといけないですよねwwいつかトゥギも書けるかな^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくらこ | 作者ホームページ:http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時:2015年5月26日 15時