20:優しくしないで ページ20
*
「ん……」
口の中が激しく渇いて。
ダルい体を起こそうとして、違和感を覚えて腕を上げた。
「点滴…？」
「あ、A目が覚めた？」
「ジョンス……？どうして…」
「あ〜、昨日はごめんね。俺が行ってたらこんなことにならなかったのに」
その言葉に、ドキリとして。
「どうし…」
「いいから寝てな？お粥作ったから持ってくるね」
起き上がろうとする私の頭の後ろに手を添えて寝かせると、
パタパタとキッチンに向かうジョンス。
さっきの言葉の意味を勝手に深読みしてドキドキする。
「夕べ遅く、店の方にも行ったんだ」
「…え？」
「でも電気消えてたからさ〜」
「あ…き、のうは……雷で停電してて…」
「あ〜、そうだったんだ。でもここにも帰ってこなかったよね？」
「え…」
ここにも来たの…？
「電話もしたけど出ないし、心配したんだよ？」
「ごめんなさい…ちょっと友達のところに行ったら話し込んでしまって
そのまま泊まってきたの。あの、これは…？」
「ああ〜、点滴？Aすごい熱だったんだよ。
だからうちのかかりつけの先生に来てもらったんだ。熱はどうかな？」
そう言っておでこに手を当てて、
私のおでこに当てた手を自分のおでこに当てて。
「あれ？よくわかんないや。どれどれ」
「…！」
私のおでこに自分のおでこをそっと当てて。
「ん、大分下がったね。このまま数日は休んだ方がいいってお医者様が」
「あ、ありがとう…」
「すこし、無理したのかな？」
「え……？」
「ん？仕事。新商品作るって張り切ってたから」
「ああ…」
後ろめたいから…ジョンスの何気ない言葉にいちいち深読みして呼吸が苦しくなる。
「A…」
「……ごめん…」
おでこをつけたままゆっくり近づくジョンスに思わず顔を背けてしまった。
「風邪…移すといけないから」
「はは、そうだよね。でもAの風邪ならもらってもいいかな、なんてね」
「もう…何言ってるの？あなたが引いたら困るでしょう？」
声が…震える。
なんでそんなに優しいの？
優しくされる資格なんか、私にはないのに…(泣)
「あ、ごめん疲れたよね。お粥食べる？」
声にならず、小さく頭を横に振ると、そっか…と小さく呟いて。
「じゃあ、お鍋に入れとくから気分良くなったら言って？また温め直すから」
「いい、自分でやるから…」
「大丈夫、俺今日はオフだから夜までいるよ」
お願いだから、優しくしないで＿＿
*
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りゅう(プロフ) - さくらこさん、ステキなお話をありがとうございました♪ブラックドンヘ？？と思いながら読み始めましたが、ステキなラスト♪ほんまにさくらこさんのドンヘをはじめとするメンバーへの愛が溢れてました♪またお話楽しみにしてます♪暑いからお身体ご自愛くださいませ♪♪ (2015年8月7日 15時) (
レス) id: 8614525c3d (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ちかさん» ちかさん、コメントありがとうございますm(_ _)mトゥギもドンヘも実際どんな感じなんだろう…妄想の中だけでも、こういう人なんだと思いたいですよね〜。これからもたのしんでいただけるように頑張ります！ (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - よぅちゃんさん» よぅちゃん、コメントありがとうございますm(_ _)mコメント欄がトゥギを偲ぶコメントで溢れて…いつかちゃんとトゥギも幸せにしてあげなきゃね^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - さるるんさん» さるるんさん、コメントありがとうございます！お、さるるんさんのお話読ませていただいてますよ！嬉しいいです！ (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん、コメントありがとうございます！レス遅くなってごめんなさいm(_ _)mトゥギは私のお話の中でいつもこういう役回りなのでちゃんと幸せにしてあげないといけないですよねwwいつかトゥギも書けるかな^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらこ
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2015年5月26日 15時
