お医者さんのやぶくん［HSJ］

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光「やぶー、早く帰りたい。手短にして」


宏「無理だって笑」


元の病室に戻ってきた光はベッドに座って無茶なことを言う笑


これだから今の光は目が離せない


勝手に帰っちゃうんじゃないかって心配しすぎてトイレまでついて行ったくらい笑


でも、思ったよりいつもの光で安心した


さ、次は採血
この調子でサクサク進むといいな笑


宏「光、そこ横になって？」


採血のセットが入ったトレーをベッド脇のテーブルに置きながら言う


あ、そうそう。一通りの道具は、ありがたいことに俺らがいないうちに看護師さんが用意してくれたみたい


おかげでほぼいつも通りに出来そうだね


光「えぇー、今度は寝転んでやるやつ？」


俺の手元を見て喋る光は、早くも警戒しているような…笑


見えちゃったかな？注射器…


宏「そうだよ。はい、寝てー」


軽く光の肩を押してベッドに寝るよう促す


意外にも素直にゴロンと横になった光を待たせないよに手際よく服の袖をまくって駆血帯を巻く


こういうのは待たせると怖がらせるだけだからさっさとやるに限る笑


光「採血…」


急に静かになった光がポツリと呟いた


宏「うん。すぐ終わらせてあげるから」


光「ん…」


緊張からか表情の硬い光の頭を撫で、血管を探す


って言っても光の血管分かりやすいから、すぐ見つかった笑


宏「ちょっと冷たいよ」


サッと消毒すると、光は動くどころか微動だにしない


大丈夫か…？全然反応しないんだけど…


宏「光？チクってするからね」


一応、光の手は掴んでおいて針を近づける


でも刺すまで後数ミリ、というところで…


光「ちょ、ちょっと待って！」


急に光が大きな声を出した


宏「んー？」


思わず手を止めて顔を見ると、目を潤ませてる光


光「やっぱ…やめる」


あら…本領発揮ですか、光さん笑


宏「それはダメだって笑。事務所に結果出さないといけないでしょ？ほら、やるよ」


光の返事を聞く前にがっちり腕を捕まえて、針を刺す


光の場合、ちょっと強引にでもやらないと…待ってたら日が暮れる笑


光「いったい！…ったい……ん…ﾋｸｯ…泣」


痛い痛いって言って騒いでるだけかと思ったら泣き出したから、ちょっと驚いた


俺が注射する時は騒ぐけど、今まで絶対に泣いてはいなかったのに…


宏「頑張れ頑張れ。もう終わるぞ〜」


途中から泣くだけになった光を励ましながらどうにか終わらせた


どうしたんだろ光…
今日は相当不安になってるのかな…

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