お医者さんのやぶくん［HSJ］

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薮「熱測るよー」


診察室に着いてすぐ、耳に体温計をさしこむ


ベッドに横たわる大ちゃんは、力は弱いけど体温計を持った俺の手を掴んでくる


すでにイヤイヤが始まる予感しかしない笑
なにせ俺らに黙ってた理由の一つが“診察が嫌だった”だからね


薮「どれどれ…38.6…って、よくこれで収録してたな笑。言ってくれたら解熱剤あげたのに」


大「ん…だって…ｸﾞｽﾞ…」


一気に泣きそうな顔になる大ちゃん


薮「あー、ごめんごめん。分かってるよ。だから泣かなくてだいじょーぶ」


危ねぇ…また泣かせちゃうところだった


これは、さっさと終わらせるしかないかぁ


よし…今日は私服でいいや
白衣着るだけでも泣いちゃいそうだし笑


薮「胸の音聴くよ〜」


大「ん〜…いい…」


服の中に滑り込ませた手を両手で押し返された


いやいや、何がいいんだ笑


薮「よくないよ。すぐ終わりにするから、大ちゃんも協力して？」


大「……ん、すぐね」


お願いしてから結構な間が空いたけど、早く終わらせるという条件付き(笑)で、漸く頷いてくれた


薮「よし、じゃあ手は横ね…モシモシしま〜す」


今度こそは手を出されないように、手は身体の横に置いてもらって、聴診リトライ


大「…まだ？」


まだ始めてそんなに経ってないのに急かしてくる大ちゃん


薮「まーだ。お喋り禁止(笑)。背中聴くからちょっとこっち向いて？」


大ちゃんの身体をこっち向きに転がして、背中も聴診する


薮「はい、終わり〜」


大「長いよー。すぐって言ったじゃん」


聴診が終わった瞬間、文句タラタラの大ちゃん


バレたか笑…でも聴診はちゃんと聴きたいから短縮できないんだよなぁ


薮「ごめんごめん。お口開けて？最後だから」


ここは最後っていう言葉で釣りました笑


喉ちょっと赤いなぁ…
ここは熱もあるし、注射しようかな


大「もうおわり？帰っていい…？」


薮「ん〜、ちょっと待っててね」


もう起き上がって帰ろうとしてる大ちゃんには言葉を濁して、奥の部屋に薬品を取りに行く


言ったら絶対逃げられるからね笑


とりあえず、トレーの上に注射器を置いて布で隠して…と


薮「お待たせ〜」


大「大丈夫、早く帰ろ！」


もう帰れると思って、嬉しそうにベッドで足をブラブラさせてる大ちゃん


何でかちょっと元気になったような…笑


薮「大ちゃん、もっかいゴロンしよっか」


でも近くで見ると、やっぱり顔は赤いし、目はとろんとしてるから身体は辛いんだろうな…

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