お医者さんのやぶくん［HSJ］

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涼介の協力もあって、行きたくないオーラ全開の知念をどうにか連れて来れた


よっぽど嫌なことなのか、途中で目的忘れちゃってたのには驚いたけど笑


宏「椅子座ってもいいしベッド寝てもいいけど、どっちにする？」


診察室に着いて早々ガーゼを棚から出しながら言うと、返事が返ってこない


思わず知念の横に立つ涼介と目を合わせて苦笑してしまう


宏「知念？笑…ベッドにしよっか」


そう言うと、代わりに涼介が「りょーかいっ」と返事してその場を動かない知念をベッドに誘導してくれた


もう1人いると楽だな笑


なんて思いながら、必要なものを用意してサッと白衣をはおる


宏「お待たせ。あ、涼介はその椅子座ったらいいよ」


涼「はーい」


知念の側で立ったままの涼介に言うと、患者用の椅子を転がしてきた


宏「じゃ、包帯取るね」


ここに来てから黙り込んじゃった知念は、俺が包帯に手をかけると、さらに不安そうな顔になった


まあ、あれだけ嫌がってたから緊張してるんだなってことはわかるけど…


これ、このまま進めたら知念泣くだろうな…笑


宏「痛くないからね。大丈夫、大丈夫。涼介とお喋りでもしてな？」


包帯をクルクル外しながら言うと、コクンと頷く知念


返事してくれて嬉しいよ笑


何周かしてると、手に乗せているガーゼが見えてきた


皮膚にくっついてないといいけど…


宏「ちょっと引っ張られるかも」


若干の不安があったから、ひと言声を掛けてゆっくりと剥がしていく


一番端を持ち上げると、予想に反して案外すんなり剥がせる


これは大丈夫だな


そう思ってそのまま剥がしたら、最後の方だけくっついてたみたい


知「…っ…たいっ…」


小さく声を漏らす知念に、それまで気を紛らわそうと一生懸命話題を作ってくれていた涼介の声も途切れる


宏「ごめんごめん。痛かったな」


すぐに剥がし終えて知念の顔を見ると、もう目にじわじわきてる


侑「ん…だいじょぶ…」


涼「ほんとに？もし痛いならちゃんと言ってよ。俺が怒ってやるから笑」


宏「おい、何でだよ笑」


思わずツッコミを入れたら、不意にふふっと笑う声が聞こえた


侑「涼介、僕ほんとに大丈夫だよ。ちょっとビックリしただけ。ね、宏太？」


そう言って俺に何か企んでるような含み笑いをする知念


やっぱりさっき痛かったんだな…笑


不用意に痛くないなんて言うんじゃなかった
どんなことでも絶対なんて有り得ないし…


気を付けよう…特に知念はね笑

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