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それができていなかったから、今、私は“大人”としての正しい判断をする。
「今までありがとうね。
短い間だったけど楽しかった」
取り返しのつかないことをしてしまったけれど、
謝って済む問題ではないけれど、
もっと大事になる前でよかった。
「別れる、ってことですか?」
静かにジョングクくんが尋ねる。
「うん」
それに私は、静かに頷く。
だんだんと目が赤くなるのを見ていると、胸が傷んだ。
だけれど、これはお互いのため。何よりジョングクくんのため。
今まで彼女がいなかったのは、デビューするために努力をしていたからだろう。
その努力をたかが恋愛で全て台無しにしたくない。
所詮いっときのそれである、私のせいで、台無しにして欲しくない。
「どうして…」
まるで道に迷ったうさぎのような表情で私を見ないでくれ。
撤回したくなるじゃないか。
「だって、それがお互いのためだもん」
この実写化のプロジェクトが成功すれば、ジョングクくんは世界へ羽ばたけるだろう。
現在のこの国の大物アイドルは、世界中を飛び回ってる。
それができるチャンスが今、目の前にあるんだ。
「だから、お互い夢に向かって頑張ろうね」
泣きたいけれど、涙は流さない。
だって、“大人”だから。
ジョングクくんも、大人になったらわかるよ。
ーーー
“僕が大人になったら、君を理解できるかな。”
大人になったら【完】
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Haylee :D(プロフ) - のん民さん» のん民さん、ありがとうございます!軽く号泣してます嬉しすぎて(TT)どうしようか迷った末にあのように終わらせました。一番綺麗でしっくりきたので笑こちらこそ読んでくださりありがとうございます!評価もありがとうございます(TT)これからも宜しくお願います! (2018年5月31日 0時) (レス) id: 0356daf5fa (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - PS.評価を押させていただきました。ぴったり200票目でした(笑) (2018年5月30日 3時) (レス) id: 4b35232376 (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - なんだかとても大人っぽいもどかしい感じの恋物語で、普段はそこまで好まないのですが、なぜだかとても味わって読ませていただきました。最後、主人公さんの返答を書かないのが、とてもいいなぁと思いました!素敵な作品を作っていただき、ありがとうございました。 (2018年5月30日 3時) (レス) id: 4b35232376 (このIDを非表示/違反報告)
Haylee :D(プロフ) - のんさん» 笑笑 いえ、20代なったばっかです笑笑 (2018年5月17日 3時) (レス) id: 0356daf5fa (このIDを非表示/違反報告)
のん - 作者さん30代なんですか? (2018年5月6日 1時) (レス) id: 2bf35c0a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haylee :D | 作成日時:2018年4月22日 20時