逆先くんと彼女4 ページ4
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「じゃあまたネ、宗にいさん」
「あぁ、助かった。
…と、そっちの小娘に伝えておいてくれ」
一つ頷いてから、アンティークな部屋を出る。
一人分と呼べるか分からないくらい軽い、一人分の体重を背負って。
「……んー…」
衣装が出来上がったと同時に。
Aは意識を失ったかのように、ソファに倒れ込んだ。
……あれは、凄い焦ったなぁ…
何か病気かと思っちゃったよ。
「『お疲れ様、A』」
小さな寝息が耳元に聞こえてきて、ボクの顔が情けないほど緩んでるのが分かる。
「good night、A…」
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「……マドモアゼル、何か言いたいことがあるのか?」
『ふふ、さすが宗くんね。
そうね、Aちゃん、変わったと思わない?』
「ふん、いつもあんな感じだろう」
『愛の力ってやつなのかしらねぇ』
「さぁな。
僕には到底理解し難い事だね。
…だが、あそこまで執拗に依存してるとは思ってなかったのだよ」
『お互いがお互いを求めてるように見えたわね』
「あぁ、面倒だな。
だから人間がほざく底辺の愛は嫌いなのだよ」
『宗くんったら
本当は凄く心配してるんでしょう?』
「あんな小僧と小娘なんて、別にどうでもいいさ」
『その割には、夏目くんとAちゃんの事を旅立つ我が子のように見守ってたわよ?』
「別にそんな事はない!!
むしろ清々しいくらいだ、あの小娘の相手をしてやるヤツが見つかってな」
『ふふ、素直じゃないんだから』
「何を言ってる、マドモアゼル。
僕はいつだって本当の事しか言わないじゃないか」
『…………そうね』
「………だが
マドモアゼルが言うように、あの小娘変わったように見える」
『…夏目くんとお付き合いする前まで、宗先輩って凄く懐いてたものね
宗くん、寂しいのね』
「寂しくなどないがな」
『ふふ
でも私も、前みたいに好奇心旺盛のAちゃんに戻ってほしいわ…
今は、夏目くんにしか興味無さそうなんだもの』
「…………まぁ、そのうち
戻るだろう」
『あら、やっぱり寂しいんじゃない』
「寂しくはないと言ってるだろ
…それに僕は、マドモアゼルがいれば満足だよ」
『ふふ
ありがとう、宗くん』
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はなまるぴっぴ(プロフ) - 源氏パイさん» そう言っていただけるとは……!!ありがとうございます!! (2017年1月11日 16時) (レス) id: 1b2584b9c9 (このIDを非表示/違反報告)
源氏パイ(プロフ) - 読みやすく、これからのお話が気になります♪更新頑張ってくださいー! (2017年1月10日 21時) (レス) id: d665ec37e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:座右の銘 | 作成日時:2017年1月5日 19時