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「いっち……ってやっぱ寝てたか」
Aは、ベッドの傍に腰掛けて優しく微笑みました。
「ねぇ、おばあちゃん?
どうしてそんなに、お耳が大きいの?」
「それは、Aの声をよく聞くためさ」
「どうしてそんなに声が低いの?」
「少し、風邪をひいてしまってな」
「どうしてそんなに
悲しそうな顔をしているの?
……カラ松」
「それはA、キミに
たくさん好きだと伝えたいからだ」
「そんな悲しそうな顔をしないで。
__私も」
『私も好き』そうAが言おうとした時、
乾いた発泡音が聞こえ
真っ赤な血飛沫が
Aにつきました。
「……カ、ラ松?」
「かはっ……A…」
Aの目の前には、赤い血をドクドク流して倒れているカラ松がいます。
「あっは、間一髪ってところぉ?」
後ろから呑気な声が聞こえ、Aが振り返るとそこには、窓辺に腰掛けてライフルを持ったおそ松がいました。
「な、んで……」
「Aの事、食べようとしたでしょ?」
「…………なんで、傷つけたのよ」
Aは冷めきった顔でおそ松を見ます。
「へぇ、面白いね、やっぱAは」
彼女は、愛おしそうにカラ松を見つめるとゆっくりと手を伸ばしました。
「おそ松のせいで、汚くなっちゃった」
「何、カラ松の死体でも飾ろうって?」
「____もちろん。
だって、狼の血が半分流れてるのよ?
しかも、凄く綺麗」
うっとりとした顔でカラ松の頬を撫でたAは、スっと真顔になるとキツくおそ松を睨みました。
「それなのに、アンタは余計な事をした」
「ほんと、Aはカラ松好きだよな」
Aは、もちろん、という意味をこめて頷きました。
_と、突如鳴り響いた二度目の発泡音。
「……Aは、俺だけを愛してればいいの」
おそ松は、カラ松の上に覆いかぶさるように倒れたAを起こし、割れ物を扱うかのように抱きしめます。
「だから、来世ではちゃんと俺だけを愛してね?」
おそ松は、台所へ行くと包丁を取り出しAに握らせ、グルグルと解けないよう縛り付け
自身の手首と、包丁が巻かれていないAの手首を包丁同様、念入りに縛ると
彼女の手首についた包丁を自身に刺しました。
__刹那、おそ松の腹部に襲う酷い激痛。
ですが、そんな痛みに耐えながらおそ松は片手でAを抱きしめました。
「あ、っか……はは…」
……猟師は、赤ずきんに倒れ込む形でドサりと倒れ込みました。
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サクラ - 狼と結ばれてほしかった(TT) (2017年8月16日 14時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:座右の銘 | 作成日時:2016年8月23日 3時