私は深窓の令嬢ですわ！ (ページ2)

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生まれ変わっても私はこうなる運命だった２ページ2

「ヒルダ、気温が下がってきたわ。早く帰りましょう」

「は～い！今日はありがとうございました、お母様っ！」

お母様は未だに幼さの残る顔を笑みの形にゆがめた。私は何故かその笑顔に浄化されていくような気分になった。

私達は公爵邸に帰る。既に仕事を終えたお父様が、暖かい日溜まりのような笑みで迎えてくれた。正直に言ってしまうと、ルシアの笑顔の方が美しかった。

さてはルシア、容姿チートの持ち主だな！…いや、『チート』って何に使う単語だろう？最近よく分からない単語が出て来るようになった。

「じゃ～ん、今日の夕食はヒルダの大好きなビーフシチューだよ！」

「わ～い！お母様大好きぃ！！」

そんな日常が永遠に続いてくれたら、私もどれ程嬉しかっただろう。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「ヒルダ、この人が新しいお母様だよ」

ルシアは、私の三歳の誕生日パーティーの時に死んでしまった。お母様の食べていたマカロンに、遅効性の毒が入っていたらしい。

その後すぐにお父様には新しい恋人が出来、そのまま再婚した。その人は平民街で行き倒れていたのをお父様に救って貰ったらしく、命の恩人であるお父様を慕っている。

ルシアを喪った私はお父様への好感度を一気に下げた。

「私はシエラ。二歳だよ、よろしくね！」

「僕はシエル。同じ二歳だよ、よろしくね！」

新しいお母様は一卵性双生児を連れていた。男女の一卵性は凄く珍しかったので、私は思わずジロジロと観察してしまった。

「……私はヒルダ。三歳なの。今日から貴方達のお姉様になるわ、よろしくね！」

ねぇ、ルシア。貴女は今幸せですか？