珈琲一杯いかがですか？ (ページ1)

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一杯目ページ1

「疲れたぁ」

とある少女が街で買い物をすませ、どこかひと息つける所がないかと店を探す。

「あ、あそこでいいや。」

すると、落ちついた雰囲気の喫茶店を見つける。少し古ぼけた看板には【breaktime】と書かれている

「とりあえず座りたいよ…」

ｶﾗﾝッと音を鳴らし少女は入店する。中は少し狭い程度だろうか。個人席が6つほど置いてある。

　カウンターには背の高い女性が立っておりグラスを磨いている。店に入って数秒ぼうっとしている少女に気付いた彼女は柔らかい声で少女に話しかける

「お好きな席へどうぞ。」

あ。とまぬけな声を出した少女はそれに対して「カウンター、いいですか？」と聞く。勿論彼女も「良いですよ。」と応える。

少女が席に座る。カウンターに居た彼女はメニューを少女に渡し、「お好きな物をどうぞ」と言う。

メニューをぼーっと眺め少女は

　「えっと…珈琲と、イチゴのタルトと、あとしゅわしゅわパンケーキと、チョコとバニラのパフェと…」

　つらつらとメニューにある食べたい物を読み上げる少女に対して、カウンターの女性は小さく「ハイ、ハイ」と返事をしながらメモをしている。

　「ミニクレープをください。」
　満足気に顔を上げる少女を見て女性は嬉しそうに「かしこまりました。少々お待ちください。」
と応えメモを破りカウンターの奥に消える

　注文が終わり、静かになった店内で少女はハッとする。

「何で私、あんなに頼んだんだっけ？」

　珈琲一杯飲んで帰ろうとするつもりだったのだが。だってしょうがないじゃないか。おいしそうな名前してたのだから。と少女は自分に言いきかせる。

カウンターの奥からはさっきの女性以外にも若い男性の声も聞こえる。カウンターの隣には上につづくであろう階段がある。店の中は白や緑など落ちついた色でまとまっている。

こうやってぐるりと店を見回すと中々オシャレな店ではないか。さっき話した女性もきれいな方だった

「映画にでてくるカフェみたい…」

少女が呟くと

「それはよかった。店長も喜ぶ。」

と男性の声が後ろから聞こえた

少女はあまり心が強いほうではない。むしろ世間で言う所のビビリという物であろう。

少女は背もたれがない椅子に気付かず叫びながらうしろにバタンッとたおれた。

「キィイィエアアァァァァァ」「うおっ」

奇声を上げる少女とそれに当たり前だが驚く男性

今日も【breaktime】佐神(ｻｶﾞﾐ)君、