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犬神と白稚児 ページ32
重岡くんの前に立つ。
磔にされているようなその身体は、俺より少し上にある。
淳「照史、これ外して。」
振り返らず、水晶の尾の一本を軽く叩く。
照「でも・・・」
淳「ええから。」
照「・・・分かった。」
縛めが解かれ、その身体が落ちてくる。
俺はそれを、優しく抱きしめた。
そして、軽く頭を撫でる。
淳「・・・・・・・・・。」
ふわふわした髪。
大「・・・・・・・・・、」
淳「あ、起きた。」
大「・・・・・・、っ?!」
淳「大丈夫、もう大丈夫やから。」
目を覚ました重岡くんは、慌てて俺から離れようとした。
そんな彼を、俺は更に強く抱きしめる。
淳「『助けて』。あれ、キミの声やったんやね。」
それは、いつかの公園で聞こえた声。
切実に。
懇願し。
願った。
淳「大丈夫。」
腕に伝わる。
冷たさと、その細さ。
心細かったやろう。
どうして、って、理不尽も感じたやろう。
死んでしまったという事実は、もう覆せないけれど。
それでもせめて、今だけは。
淳「・・・もう、大丈夫やで。」
そして俺は、その言葉を何度も送った。
大丈夫。
もう、大丈夫。
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