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#_059 ページ9








柊「ある刑事の話をしよう」




柊「その男は、かつて教師だった。


生徒一人一人に真摯に向き合うような強い心根を持って欲しくて

時には体罰も厭わないような教育は批難の声も上がったが、改心する生徒は大勢いた。




…でもある日

一人の生徒が集団暴行を受けて、亡くなった。


加害者は他校の生徒だった。



男は、教え子を救えなかった自分を責めたが

その怒りと悲しみを犯罪そのものに向けた。



弱者を傷つける犯罪を横行しない世の中にする。




そして男は刑事になった。


その男は自分が味わった負の感情をはね返して

明日を生きる活力に変えたんだ。





ここにいる二人もそうだ。


真壁は

自分が選手として復帰できなくなった時に、相手を憎むのではなく、サポートする道を選んだ。」



翔「……」



柊「熊沢だって、本当は景山に対して複雑な想いが抱いていたはずだ。

でも、彼女に勝とうと努力をして



負の感情を跳ね返した。」


花恋「……」





柊「里見

お前はどうだ?




逆境を乗り越えようとしたか?

傷ついた悲しみを明日の活力に変えられなかった。



それが、お前の弱さ__」



海斗「うるせぇんだよ!!」


海斗は、机を押して、立ち上がった。





海斗「うるせぇんだよ!




うるせぇんだよ!
知ったような口聞きやがって!」


海斗は翔の胸ぐらを掴んだ。




海斗「なんで俺がコイツより弱ぇんだよ!


可笑しいだろ!?





何でだよ!

…こんな奴に負けっかよ…!こんな奴に…」




翔「…」




海斗「何だよ

何だよその目は…!


何なんだよ!!」






さくら「真壁くんは弱くなんかないよ。」





さくらは海斗を強い眼差しで見つめながら言った。

Aは、涙を落としながらその言葉を聞いた。







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作者名:ちょこみんと。 | 作成日時:2019年4月7日 19時

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