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Akito side
｢今日、今だけは、私の彼氏の...照史くんになってくれますか？｣
俯きがちにそう言った彼女は、まだまだ若くて幼いと思っていたのに
とても儚くて、それなのにすごく綺麗で。
ああ、ホンマにこいつは...
照｢当たり前や、俺は...お前の、Aの彼氏や｣
｢うん...、ありがと、照史くん｣
照｢...よし！！せっかく来たんやし、海入ろうや！｣
｢えー、ふふ、しょうがないなぁ、足だけね？｣
照｢よっしゃ！シーサー！ゴーヤー！行くで！！｣
『ワンッ！』『ワンワンッ！』
｢あ、ちょっ、服濡れるから裾まくって！｣
俺らが出会ったのは、シーサーとゴーヤーを連れていってる先のペットショップ。
Aはそこの店員やった。
まぁ、どうやって仲良うなったかはまたおいおい話すわ。
とにかく、初めて出会った時はまだ18？19？とかで。
まだ未成年かよ！若いなぁ！なんて思っとったのにさ。
いつの間にか好きになって、付き合って。
今では傍におってほしいやつになっとる。
たくさん我慢させてきた、きっと辛かったことも沢山あったと思う。
それなんに、なんの文句も言わず、俺の傍におってくれて。
それだけで幸せなことよな。
...──────────
シーサーとゴーヤーと海で思いっきり遊んで、疲れて浜辺で休んでると
車に何かを取りに戻ったAが俺の横に座った。
｢ただいま〜｣
照｢お、おかえり。何取りに行っとったん？｣
｢飲み物、お家から持ってきたの。照史くんも飲む？｣
照｢飲む、何持ってきたん？｣
｢はちみつレモン水！｣
照｢ええねぇ！さすがAちゃん〜！！｣
わしゃわしゃと髪の毛を撫でると｢やめて〜｣とか言いながらも嬉しそうにしとる。
可愛ええなぁ、幸せやなぁ。
照｢ほんま、可愛ええやっちゃな｣
｢もうっ、すぐからかう！｣
照｢ほんまやって！Aちゃんはいつでも可愛ええ俺の彼女やよ｣
｢ん...照れる...｣
照｢ははっ、可愛ええ。...日、暮れてきたな｣
｢...ほんとだ、綺麗ね｣
海に沈みかけてる太陽を2人で眺める。
最高の誕生日、ええ30歳迎えられたなぁ...。
30ってさ、なんか節目な感じするやん？
せやから、今日はここで、Aに伝えよ思ってたことがある。
あー、いざとなると緊張するわ...。
照｢なあ、A？｣
｢んー？｣
照｢...言いたいこと、あんねん。｣
ちゃんと、聞いててや。A。
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作者名：maoka. | 作成日時：2021年10月27日 1時
