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頭に?が浮かんだ。なんやったんやろう、って。他に何も説明あらへんし。
「…なんやねん」
トーク画面を閉じ、まだそのままだったお弁当箱を持って一階に降りる。階段を降りながらちょっとの空腹感に気づき、何故か自分で自分に安心した。
「自分で洗いや、もう洗い物終わってもうたから」
「おん、わかってる」
元からそのつもりでしたけど、なんて心の中で悪態をつく。洗いながらふとオカンに目をやると、チーズケーキを美味しそうに食べてて。
「あ!ええなー!オカンだけチーズケーキずるいわぁ」
半分残しといてや、そう言うと、モグモグしたまま冷蔵庫を指す。なによ、そう言いながらも食べたいから言われた通りに冷蔵庫を開ける。
そこには俺の行きつけのケーキ屋さんの箱が。
「わぁ!オカン買ってきてくれてたん?さっすが〜」
箱を取りだしフォークとお皿を持ってオカンの前に座る。何やろうなぁ、なんてワクワクしながら箱の中身を見ると
「…莓のムース?」
「大ちゃんが学校帰りにいきなり持ってきてな。
あんたが楽しみにしとった莓のムースの新作が出てたから買うてきましたって。
ちゃんと私の分も買うてきてくれるとこがやっぱ大ちゃんよな。
あんた聞いてへんかったん?」
「…あぁ、おん」
さっきのメッセージは、このことやったんや。ずっと前、一緒に帰ってた時に見つけた新作をお知らせする看板。そこに莓のムースがあって。ええなぁ、って言うてたの、覚えててくれたんや。
こんな、こないな関係になってもうてるのに、買うてきてくれた。複雑な気持ちで莓のムースを一口。
「…うまいっ」
しっかり味わいながらも無心で食べた。行きつけのケーキ屋さんのムースは、やっぱり格別においしかった。
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もも神昴(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます!恋愛の場面以外でもそう感じてもらえて本当に嬉しいです( ノД`)意外と友情の場面とかが書くの苦労してるので(汗)これからもよろしくお願いします! (2016年1月31日 9時) (携帯から) (レス) id: 3c13edc17f (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - こんにちは!神ちゃんとのんちゃんの友情な泣きそうになりました(TT)これから神ちゃんものんちゃんも幸せになって欲しいなぁ…更新頑張ってください! (2016年1月30日 19時) (レス) id: 7148138639 (このIDを非表示/違反報告)
りう - いえいえ!私なんかのコメが作者様の力になるという事実があるだけで私は幸せですw← 頑張ってくださいね ´∀`* (2016年1月15日 23時) (レス) id: 0ea4750dd1 (このIDを非表示/違反報告)
もも神昴(プロフ) - りうさん» そう言っていただけると本当に心強いです( ノД`)出来る限りは更新していくので!本当にありがとうございます♪ (2016年1月15日 7時) (携帯から) (レス) id: 3c13edc17f (このIDを非表示/違反報告)
りう - スランプですか…、辛いですよね。私も、占ツクじゃないけれど前小説書いてたので気持ちわかります!でも、スランプとは思えないほどの素晴らしい文なので自信持ってください!!……なんか上から目線みたいになってしまってすみません、これからも応援してます♪* (2016年1月14日 23時) (レス) id: 0ea4750dd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも神昴 | 作成日時:2016年1月3日 22時