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部屋に入りリビングへ案内されると、意外と中は俺の部屋と同じくらいのサイズで。
ただ、窓の大きさがまったく違っていた。
カーテンの先に何があるんだろうってじーっと覗きこんでると、後ろから肩を叩かれる。
「それはまたあとで。これ着替え。夕飯すぐ準備するから、テーブルのとこ座ってて」
「あっ、うん…」
渡されたのは黒のロンTとスウェット。
カーテンは開けない方が良さそうだ。
ましてや人ん家だし。今日はいないけど、奥さんの私物とかあるだろうし。
にしても、翔くんって料理できたんだな、なんて思いながらキッチンに立つ後ろ姿を眺める。
鍋みたいなのを煮込んでる感じだけど、何回も味調整して、その間も水は出しっぱなし。
なんだかせわしないなぁ…と、様子を伺いに立ち上がった。
「大丈夫？なんか手伝おうか」
「いやいや、いいよ！朝仕込んだんだけどさ。ちょっと味見てるだけ！」
「ふーん…じゃあ、惣菜盛るよ。皿は？」
「あっ、ごめん！惣菜全部出来合いなんだ！冷蔵庫にパックで…」
うーん…料理できる、のか？
冷蔵庫を開けると、中は卵と、調味料と、野菜が少し。
あとはお酒ばかり。
ひとつ紙袋の中に和え物とかいろいろ入っているのを見つけた。
本当に、奥さんと住んでいるのだろうか。
よくよく見渡してみれば、家庭的な雰囲気もなく、女性にありがちな服や化粧品が散乱している様子も見受けられない。
なんだかよくわからないけど今聞くことではない、とひたすら言い聞かせて皿に惣菜を移していく。
翔くんはできた！とか言っていそいそとテーブルに持ってくると、ようやく俺たちは席についた。
「あ、ソファー食べづらいだろうから下来なよ」
低めのテーブルのため、直にカーペットに座らされる。
テレビが真正面にあるから、隣同士で。
変な感じ、なんて思っていると、目の前の料理に目を奪われた。
「これ、何…？」
「何って、肉じゃが！匂いが肉じゃがじゃん！」
「じゃがいも原型とどめてないけど」
「いいの、味は確かだから！はい、乾杯！」
缶ビールを注いでグラスを当てる。
匂いといえば、今日はあの匂いがしない。
もしかしたら、あの言葉を気にしているのかも。
最後に言い放った、俺の気持ちすべてを体現した、あの言葉。
言ってしまった以上後悔しても仕方ないが、彼がずっと気にしていたらと思うと胸が痛む。
隣に座って、楽しそうにテレビを見て笑っているのに。
やっぱりあの日のことは何日経っても思い出してしまう。
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京(プロフ) - 碧央。さん» 碧央さん、ありがとうございます！詳細な感想までいただけて…本当に本当に嬉しいです！！まだまだ書き続けたいと思いますので、今しばらくお待ちいただければと思います！ (2021年1月24日 1時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、ありがとうございます！！細かく読んでいただけて大変嬉しく思います。続編はもう少々お待ちくださいませ！ (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - butazch715413さん» ありがとうございます、そう仰っていただけて本当に励みになります！続編は書く方向で進めますのでもうしばらくお待ちくださいませ。 (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - 初めまして。毎日読みに来るのが楽しみで続きが気になって仕方ないほどにとても好きな物語でした。切なく胸が痛くなる場面や、ドキドキして高鳴り、にやけてしまう程ラブラブな場面、とても楽しませていただきました！続編読みたいです！お願いします！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 京さん、初めまして。京さんの描く色っぽくて魅力たっぷりな大野さんが大好きです。お話の更新をいつも心待ちにしておりました。このお話の続編、是非是非お願い致します！楽しみにしております！ (2021年1月22日 11時) (レス) id: 096605d473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月3日 1時
