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日常が戻ってきた頃、月末の精算に追われひたすら領収書と格闘していた。
来年度の契約でかなり出張や会食も多かった。
おまけに今日は金曜日。
他の営業もバタバタと処理をしている中、１通のメールを受信した。
送り主は櫻井翔。
タイトルには「退職のご挨拶」と記載されていた。
こんな月末に…有休使ってるだろうからとっくに辞めてると思っていた。
メールを開くと、長々とこの会社や担当者に対するお礼の言葉が記されていた。
新入社員の頃、初めて担当したのがこの会社だったこと。
部長への感謝の気持ち。
俺たち一人一人への感謝の気持ち。
たくさんあった。
あぁ、もう本当に翔くんとは終わったんだって思った。
あれが最後のやり取りになるなんて、なんだか拍子抜け。
こないだ言ったことと同じような内容を書いて返信し、また精算作業に戻った。
「お疲れさまでーす…って、大野さんまだ帰らないんですか？」
最後まで残っていた後輩が俺の方へ歩み寄る。
「うわっ…他の部署のとこ暗いじゃん。もう俺一人だけ？」
「そうですよ！金曜日だからみんな先帰っちゃって…何か手伝いましょうか？」
「いや、俺ももう帰る！ありがとね。お疲れ！」
２２時ともなれば、さすがにみんな帰宅するか。
営業はサラリーマンだ。
金曜日は残らず家庭に持ち帰る社員も多い。
俺は独り身だからあんまり気にしないけど、さすがにこの真っ暗な中取り残されれば焦ってしまう。
タイムカードを切りPCを閉じようとしたとき、ブーッと仕事用の携帯に着信があった。
画面には、「櫻井さん」の文字と書かれている。
…翔くん？
恐る恐る出てみると、ザー、と車の走る音や人の声が聞こえた。
「はい、大野です」
『あっ、智くん？ごめん突然！もう家？』
「えっ、いや…まだ会社だけど」
智くん、だって。
なんか、それだけで懐かしくて、鼻がつんとした。
『そうなんだ！遅くまでお疲れさま。いや、会社に電話したら営業終了したって言われちゃって、こっちに』
「あぁ…１８時までだからね」
『うん。まあ、いいや。俺今ちょうどそっちのほう来てるから、よかったら出てこない？まだかかりそう？』
「もう終わったところだけど…これから会うってこと？」
『うん、嫌じゃなければ。あっ、もう着くから！ロータリーにいるね！』
「えぇっ！？翔く…」
そう言いかけて、電話は切れてしまった。
下に、いる？
俺は乱暴にPCを閉じオフィスの電気を切ると、一目散にエレベーターに乗り込んだ。
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京(プロフ) - 碧央。さん» 碧央さん、ありがとうございます！詳細な感想までいただけて…本当に本当に嬉しいです！！まだまだ書き続けたいと思いますので、今しばらくお待ちいただければと思います！ (2021年1月24日 1時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、ありがとうございます！！細かく読んでいただけて大変嬉しく思います。続編はもう少々お待ちくださいませ！ (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - butazch715413さん» ありがとうございます、そう仰っていただけて本当に励みになります！続編は書く方向で進めますのでもうしばらくお待ちくださいませ。 (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - 初めまして。毎日読みに来るのが楽しみで続きが気になって仕方ないほどにとても好きな物語でした。切なく胸が痛くなる場面や、ドキドキして高鳴り、にやけてしまう程ラブラブな場面、とても楽しませていただきました！続編読みたいです！お願いします！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 京さん、初めまして。京さんの描く色っぽくて魅力たっぷりな大野さんが大好きです。お話の更新をいつも心待ちにしておりました。このお話の続編、是非是非お願い致します！楽しみにしております！ (2021年1月22日 11時) (レス) id: 096605d473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月3日 1時
