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ようやく下まで外し終えると、手首をお腹の前に置いたまま、シャツを肩からずり下ろす。
肘の辺りまでずらし、ずっと見てみたかったそこを凝視した。
「櫻井、さ…」
「やっぱり、綺麗」
「えっ…」
「そうなんじゃないかって思ってたから。想像以上だったけど」
滑らかな肌に、薄い胸板、ほどよくついた腹筋に、二の腕のライン。
正直な気持ちがそのまま言葉となって出てきた。
「お願い、恥ずかしいからもう…」
「ねぇ、どうしたい？」
「どうって、」
「大野さん、俺としない？」
「っ…！」
ぎゅっと抱きしめると、縛られた手首を胸元に置いたまま、腕の中で縮こまった。
なんでこんなに執着してしまうんだろう。
これって、だめなことなのかな。
俺には妻がいて、でも相手は男で。
どうして次から次へと煽るような言葉が出てくるのか、俺自身も不思議で仕方なかった。
もしかしたら、自信があるのかもしれない。
この人は、本気で俺を突き放してるわけではないっていう自信が。
「するって、だって、櫻井さんは…」
「じゃあどうして俺を誘ったの？」
「それは…、仲良くなれたらいいなって、それで…」
「本当は大野さんだって、期待してたんじゃないの？」
「ぅっ…、」
耳元で囁くと、肩が僅かに震えるのがわかる。
あの日から俺たちは同じ目的があって、同じ想いを抱いていている。
それがはっきりとわかっていたわけではないが、俺を見る彼の目、彼を見る俺の目、きっと端から見ればひとつの線で結ばれていて。
こうなる運命だったのかなとすら思えるくらい、絶対的な期待を寄せている。
「俺のことどう思ってる？」
「わ、わかんないっ…かっこいい人だなって思ったけど…、ここまでのこと考えるのは、こわくて…」
「怖いけど少しは考えてたってことだよね」
「っ、か、考えてないって言ったら、嘘になる…」
消え入りそうな声で、ぽつぽつと少しずつ本音を漏らしていく。
煽れば煽るほど簡単に心を開いてくれるみたいで。
本当は俺だって、余裕があるわけじゃない。
ましてやこんな状況、本当に久しぶりだし。
かっこつけてこんなんしといて、できませんでしたなんてなったら…怖いのはこちらも同じ。
だけどまだ、恋愛として捉えていないだけマシなのかもしれない。
「俺も、大野さんのことかわいいなって思ってた」
「なっ…！」
あとはもう、言葉なんかいらない。
涙を浮かべながら少しだけ上げた顔を両手で覆って、触れるだけの優しいキスをした。
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京(プロフ) - 碧央。さん» 碧央さん、ありがとうございます！詳細な感想までいただけて…本当に本当に嬉しいです！！まだまだ書き続けたいと思いますので、今しばらくお待ちいただければと思います！ (2021年1月24日 1時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、ありがとうございます！！細かく読んでいただけて大変嬉しく思います。続編はもう少々お待ちくださいませ！ (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - butazch715413さん» ありがとうございます、そう仰っていただけて本当に励みになります！続編は書く方向で進めますのでもうしばらくお待ちくださいませ。 (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - 初めまして。毎日読みに来るのが楽しみで続きが気になって仕方ないほどにとても好きな物語でした。切なく胸が痛くなる場面や、ドキドキして高鳴り、にやけてしまう程ラブラブな場面、とても楽しませていただきました！続編読みたいです！お願いします！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 京さん、初めまして。京さんの描く色っぽくて魅力たっぷりな大野さんが大好きです。お話の更新をいつも心待ちにしておりました。このお話の続編、是非是非お願い致します！楽しみにしております！ (2021年1月22日 11時) (レス) id: 096605d473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月3日 1時
