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俺たちは鼻と鼻がくっつきそうなほどの至近距離で、お互いの頬に触れて見つめ合う。
「っ、なら、友達になろう…？」
嗚咽混じりに絞り出すように彼の口から出てきた言葉は、想像以上にシンプルなものだった。
「、うん」
きっと端から見れば、こんなことできるの恋人くらいしかいないかもしれなち。
でも俺たちは友達であって、それでも一線を越えるつもりはない。
友達以上、そういう存在であり続けたいと思った。
「じゃ、ありがとね。送ってくれて」
ひとしきり泣いてすっきりしたのか、ヘルメットを手渡すと彼は笑いながら受け取った。
「あの彼氏と仲良くしろよ？喧嘩したらいつでも連絡していいから」
「うん…」
キーを回しエンジンをかけると、カタカタとバイクの車体が震え出す。
もう、行ってしまう。
何か言わないと、そう思って口を開こうとすると、突然腕を引かれる。
そのまま片手で抱き寄せられ、彼の肩に頭を預ける形になった。
「か、カズ…だめだって、」
「これは友情のハグだからおっけーでしょ？」
「、ん…それなら、」
それに応えるように、俺も背中に腕を回す。
真夜中にエンジン音、うるさくないかなぁ？なんてどうでもいいことを考えていた。
「ねぇ、本当に音楽が好きになったら、必ずまた会おう。無理にとは言わないけど、これは友達としてと、音楽好きとして言っておく。智は絶対その才能を生かすべきだよ」
「うん…そう、なのかな…？」
「きっともう今日の動画もどっかにアップされてると思うから、調べてみたらいいんじゃない？みんなの反応が見れるよ」
「動画なんてあるの！？」
「智、SNSやらないんだね。あそこの店はいつも演奏動画短いけどアップしてるから。自分で聞いて、それから考えなよ」
あんなものが世界中の人たちに見られるってこと？
俺、絶対変な顔して歌ってんじゃん。
父ちゃんや母ちゃんが見てたらどうしよう…姉ちゃんSNS大好きだし、すぐ伝わるだろうな…。
「じゃあね、もう行くわ」
「あっ、カズ！」
アクセルを回そうとする彼を慌てて呼び止める。
「ん？」
「あ、あの…頑張ってね。音楽…また見に行くから！」
「あぁ、うん。ありがとう。智も頑張ってね。あんまりストレス溜めないで、たまには彼氏や友達と遊んで」
「うん…」
じゃ、と言ってヘルメットのシールドを下ろすと、今度こそ呼び止める暇もないまま走り去ってしまった。
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富喜田 - 大野さんが凄く可愛かったです！ 櫻井さんsideは初めてだったので、 読んでいておもしろかったです。 続きを楽しみにしています！ 私の毎日の楽しみになっちゃってます！ (2020年8月15日 18時) (
レス) id: cb1ca5340c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - naoさん» そうですね、貴重なご意見ありがとうございます！ (2020年8月9日 6時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 大野君って矛盾してますよね。自分がされて嫌なら潤くんとのキスも思わせぶりな態度も改めればいいのに。 (2020年8月9日 2時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2020年7月25日 13時
