ついに ページ19
哀ちゃんは手を震わせながら封筒へ手を伸ばし『shellingford』の文字を見るなり中から紙を引っ張り出した
「どうしてっ...貴方が私のお母さんの写真とAPTX4869の資料を持ってるの。それに写真に写る場所は、組織の研究室...」
資料と私を見比べながらあり得ないといった表情で問い正す
『写真はベルモットさんから。資料は家から見付けたの』
これで全て辻褄があう
『哀ちゃんの隣に写る二人の男女は私の両親。そして家から見付けたAPTX4869の資料』
「つまり、貴方の両親は」
『哀ちゃんの両親と同じ、ラボの研究員』
ジンやベルモットさんが両親と認識があった事。家から見付かった資料。APTX4869の研究に携わっていた哀ちゃんの母親と一緒に写っている事
まさかと思う気持ちはある。でもこれだけ情報が揃えば否定する術がない
「私が持っているAPTX4869のデータが入ったMOよりも正確でこと細かく書かれた資料だわ」
『でも、本当にその資料で合ってるの?』
まさか家から出てきた資料がAPTX4869に関するものだと簡単に思う訳無いだろう
「いいえ、間違いないわ。この封筒に記されたshellingford__組織から薬の情報を引き出すために必要なパスワードだもの」
『じゃあその資料があれば...』
「完全に元の姿に戻れる薬を作れるかもしれない」
僅かな希望を胸に資料と写真を大切そうに指でなぞる哀ちゃん
哀ちゃんの技術なら絶対に研究はいい方向に進む気がする
少しは役に立てただろうか。対して何も出来てないけど
ずば抜けた推理力があるわけでもない
並外れた動体視力を持つわけでもない
自分の力をおごる程何かあるわけじゃない
それでも皆を守りたいと思った
誰かを守りたいと思う気持ちは偽善なんかじゃない
「...一週間後」
『え?』
哀ちゃんが静かにでもはっきりとした口調で言葉を零す
「一週間後の午後20時、ここへ来てちょうだい。...組織の壊滅を決行する。全て終わらせるわよ」
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礼 - 感動しました…。 (2021年12月7日 15時) (レス) @page34 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続き書いてほしいです(泣) (2021年6月13日 0時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - やばい…気がついたら泣いてた…こんなに素晴らしい物をありがとうございます…!! (2021年5月2日 22時) (レス) id: cf6373e776 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続編お願いします!!!!!!!! (2020年10月2日 20時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 感動しました泣。ジンと夢主が再会してほしいです。(ToT) (2020年6月16日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2018年11月10日 6時