じゅうよん ページ14
貴「お待たせしました…」
後ろから小さく聞こえた澄んだ声に振り向くと
モトキ「…っ!」
顔にガッと熱が集まるのが分かる
サイドはふんわりと編み込まれた
柔らかくルーズなお団子と
白地に薄い桃色や藤色の桜が散りばめられた
Aさんらしい浴衣
同じような浴衣を着ている女性は何人も見かけたし
夏っぽい向日葵や、爽やかな青い浴衣を着た人
たくさんの女性が目の前を通っていくけど
全員もれなく石ころに見えるほどに綺麗だった
モトキ「…めっちゃ可愛い」
やっとの思いで絞り出した声に
恥ずかしそうに顔を赤くするAさんが可愛い
貴「夏は忙しいんじゃないの?」
分かりやすい照れ隠しに笑ってしまう
モトキ「今日はお休みもらったの」
そう言って笑えば申し訳なさそうな顔をして
貴「私が行きたいって言ったからだよね…ごめんね?」
リーダーに相談したら快く了承してくれたことを伝えると
少しだけ安心したように笑ってくれた
モトキ「行こうよ、何食べる?家で少し食べてきたんだけど全然足りなかった。取り敢えず唐揚げ買っていい?」
Aさんが頷いたのを確認してから
近くの屋台に並んだ
貴「モトキくんいっぱい食べるから見てて楽しい」
そんな言葉に照れてから唐揚げを受け取った
モトキ「Aさんは何か食べる?」
貴「私も少し食べてきたから…あっ、りんご飴食べたい」
可愛いチョイスに笑うと
バカにしたー、なんて怒られた
りんご飴を食べるAさんを
写真に収めると
白い肌と赤いりんご飴がコントラストになって
いい写真が撮れた
これは永久保存だ
なんて勝手に心に誓った
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作者名:鳴海 帆南 | 作成日時:2020年2月6日 21時