透明な君と【Fischer's】 (ページ15)

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じゅうごページ15

貴「本当に沢山食べるね」
にこにこと俺を見つめる

あれから何だかんだ色々食べ続ける俺
食べてきたはずなんだけど止まらないんだよね

ゴミ箱に食べ終わったゴミを捨てる
Aさんは夏の屋台っぽい

袋に詰められたわたあめを美味しそうに食べてる
それを眺めていたら気付いたようで

貴「モトキくんも食べる？はい、あーん」
細い指が俺の口元に近づいてきたので

指ごと食べてやると顔を真っ赤にして
貴「ばか…」

なんて呟くAさんも可愛い
ﾓﾄｷ「そろそろ花火上がるし、移動しよっか」

人が多いから離れないようにと
しっかり手を繋いでAさんの横を歩いた

貴「モトキくんだってバレたら騒がれちゃうね」
こそりと秘密を明かすように呟いた

ﾓﾄｷ「俺そんなに体型に特徴ないから大丈夫だと思うよ」
いつも反対向きに被ってる帽子も

つばが前に来るように被ってマスクもしてる
まぁ、食べてる時は意味無いけどね

人は相変わらず多いけど
花火が見られそうな場所まで来ると腰を下ろした

ﾓﾄｷ「ねぇ、今度は旅行に行きたいな」
貴「モトキくんは忙しいでしょう？」

いつも自分の事じゃなくて
俺のことばかり考えてくれるAさん

ﾓﾄｷ「八月になる前に行こうよ」
今は八月に上がる動画の撮影で忙しいけど

それ以上に忙しくなってしまう前に
Aさんと2人でどこか遠くに行きたい

貴「ふふ、もうすぐ終わっちゃうよ？」
楽しそうに笑うAさんに頷いて

ﾓﾄｷ「早く行こうよ、色んなところにいっぱい行きたいから」
そう言って笑うと驚いた顔をしたけどすぐに

貴「うん、楽しみにしてるね」
そう言って微笑んだあとに

貴「でもちゃんと動画にも出てね？私モトキくんの笑顔大好きだから、モトキくんのファンにも笑顔を届けて欲しいな」

真っ直ぐな目を向けてそう言うから
ﾓﾄｷ「勿論、Aさんがそう言ってくれるなら余計に」

約束だよ、そう言いながら
小指を重ねると花火が上がった