23.振り回される、ふりまわせ！ ページ22
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カランカラン、と扉が開くベルが鳴る。
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どうやらこのお店は想像以上に広いらしく思った以上の数のお客さんがいた。
キッチングッズとか、スマホカバーとか、時計とか、ぬいぐるみ、化粧品、アクセサリー…。
どちらかというと女性向けのお店に、二宮さんがいる。しかもスーツ姿で。
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この時、あぁなるほどと合点がいった。
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確かにこのお店にひとりで入るのには勇気がいる。ましてやスーツ姿で、って。
でも女子をひとり連れて入れば、その女の子に付き合って、とか。色んな理由が出来て入りやすい。いても不思議と思われない。
私はその「女の子」に使われたんだなって、理解できた。
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…でも、こんな女の子みたいな雑貨屋さんに、なんの用事なんだろう？
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コツン、と二宮さんの革靴が照明が反射するぐらいピカピカに磨かれた床を蹴った。
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和也「実は知り合いの妹ちゃんが誕生日でね。今度。ジョシコーセーってやつですよ」
「あ」
和也「察した？(笑) ジョシコーセーのことなんてわかんねぇからさ、俺。ちょっとお付き合い頂いてもよろしいですか？」
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冗談っぽく口角を上げた二宮さんは執事のような身の振り方をして
手のひらを胸に当てて、ぺこりと一礼。その姿も似合っていてどうしようもない。
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「手袋とかどうですか？結構可愛いですよ。」
和也「手袋？スーパーで買えばよくね？」
「馬鹿！」
和也「バッ…？！」
「スーパーで買うのは幼稚園まで！頑張って小学校低学年！女の子なめちゃいけませんよ、二宮さん！」
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ガッ！と言った私に対して、今度は二宮さんが目を丸くする方。
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色は？何色が好きとかわかりますか？
赤だった気がする。
私と一緒だ。うーん、スマホカバーとかもありますよ。機種は？
あいほーんさんだったと思うけど。
どうします？
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初めて私がとった優勢。
二宮さんを連れ回して、雑貨屋さんを歩き回って。
結局、手袋に決まって、じゃあ俺会計してるからそこら辺見ててって言われて。
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顔も知らない人のプレゼントを決めてただけなのにすっごい楽しくて
だから思っちゃいけないんだ。
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同い年の子が、二宮さんからプレゼントをもらう。
…羨ましいな、なんて。
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