子猫なDSクロスくん！！ (ページ27)

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25.捨て猫ページ27

─DS!クロスside─

今日は一人で外を散歩中。

狭い裏路地を通ったり、塀の上を歩いたり、屋根に上ったり、野良猫と喋ったり。

体が小さいからこそ、普段は通れない場所に行けてすごく楽しい。

それから公園で少し遊び、そろそろお昼かな？と時計を見れば、ちょうど十二時を指していた。

俺は来た道を引き返し、人気の少ない場所まで戻ろうとした。

その時だ、

『おなかへったよぅ...』

そんな声がどこからか聞こえてきた。

その声はとても弱々しく、今にも死んでしまいそうだと思ってしまう程だった。

俺は声のする方へ歩いていけば、ダンボールの中に入れられた一匹の子猫を見つけた。

恐らく捨て猫だ、可哀想に。

『おなかへったよぉ。だれかぁ～、おかあさぁん』

目脂で目が見えていないんだろうか？俺が目の前にいるのに、とくに反応を示してこない。

クロス「...うち、来るか？」

気づいた時には、その子猫を抱き上げ、そう言っていた。

子猫はとても軽くて、体は骨張っていて、毛並みも汚れていて、目脂もついている。

きっと、ここで俺が見なかったことにすれば、この子猫は死んでしまうだろう。

『だぁれ？』

クロス「俺はクロス、お前と同じ猫だよ」

『おなじ？おかあさん？』

不思議にそう聞いてくる子猫。違う、俺はお前のお母さんじゃない。

取り敢えず、俺は子猫を大事に抱えながら家に帰った。

さて、二人にはなんて説明しよう...。