忘れられない人 (ページ12)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:22,608 hit

12 ページ12

『飛貴と一緒に遊ぶの久しぶりだね。最近、塾とか忙しいの？』

「まぁね、一応、受験生だからさ。瑞稀くんは、高校どう？慣れた？」

『うん、だいぶ慣れたよ。直樹とクラスも部活も一緒だしね。』

「そっか、良かったね… 瑞稀くん、週末は久しぶりに一緒に買い物にでも行かない？」

『あーごめん、週末は別の約束があって。また今度ね。』

直「瑞稀くんは、デートなんだって！残念だったな。」

「え？デートって、、本当に？」

驚いた顔で飛貴が聞いてくる。

『いや、だから違うって！直樹、変な言い方するなよ。高校の先輩と遊ぶ約束してるってだけだから。』

「なんだ…そっか、、ふーん、高校の先輩ね…」

直「拗ねるなよ。買い物なら俺が付き合ってやるからさ。」

「別に拗ねてなんかない！兄貴とかぁ、、まぁ仕方ないか。」

直「仕方ないって何だよ！お前より俺のほうがお洒落なんだから、いいだろ？俺がコーディネートしてやるよ。」

「確かにお洒落なのは認めるけど、俺の好みとはちょっと違うんだよなぁ…。瑞稀くんのほうが、服の好みも合うのに。」

『ごめんな。今度、埋め合わせするから機嫌直してよ、ねっ！』

「わかった。絶対ね、約束だよ！」

『うん、わかってるって。』

いつもの癖で頭を撫でようとすると、腕を掴まれて遮られる。

「もうやめてって言ったでしょ。」

呆れたように呟く飛貴。

『あははは、つい癖で。じゃ、そろそろ夕飯だから、俺帰るね！』