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本性露呈 ページ12

やばい。
何がって?

時間がだよ!

SHR開始まで、あと3分。廊下や階段には誰もおらず、皆教室内で談笑している。
[廊下は走らない]という貼り紙を横目に、小走りに急ぐ。

手にしていた弁当は、2つから1つに減っている。

よし、やっと教室に着いた…。

扉を開ければ、自然とクラスメイトの視線が私に集まり、[おはよう]、[あけおめ]といった挨拶が飛んでくる。

それに笑顔で返しながら、私はある席に直行した。

机に突っ伏し、完璧に寝ているらしいその背中を、スパーンと叩き落す。


「いっっってぇ!?」

『良い音がしたね』

「は、A?」


クラスメイトが唖然としているが、知ったことではない。


『おはよう、万里。あんたが朝から登校とは、珍しいね』

「お、おう、はよ…ってお前、良いのかよ」

『ん?良いも悪いもないよ。だって…』


自分の席で寝ていたら叩き起こされ、それも叩いたのは私で、今まで校内で素で喋ったことはないのに、突然これだ。驚くのも無理はない。

にしても、万里が驚く顔はなかなか見れない。レアスチル、またしてもゲット。


『あんたに届け物があるからね』

「届け物?…あ」


後ろ手に持っていた弁当を突き出してやると、血の気が引いている。私はにっこり笑い、青ざめた顔にぐっと近寄った。


『テメーこの野郎、私が作った弁当を忘れていくとはどういう了見だ?』

「いや、えっと、その…悪かった!すまん!」


視線を少し泳がせたと思えば、万里は私と目を合わせて謝罪した。暫し沈黙。


『…ま、許してやるか。次はない』

「は!ありがたき幸せ!」


手のひらを上に向けて差し出された彼の両手に弁当を載せて、私は[うむ]と鷹揚に頷いた。


『ったく、あんた達2人して忘れるなんて』

「2人?…真澄もか」

『ビンゴ』


2つのうち、もう1つの弁当は真澄くんのもの。ついさっき届けてきたのだ。


『真澄くんも机で寝てたから、頭鷲掴みにして握り潰した。んで弁当渡して、文句言って速攻で逃亡。今頃クラスメイトから質問攻め』

「真澄…惜しい奴をなくした。合掌…っつか近い未来、俺もそうなるぞこれ」

『ははっ』

「何も笑えねえ」


2年生のクラス入るの、勇気いったよね〜。
恐ろしかったので、私は周りから話しかけられる前に逃げた。許せ、真澄くん。


『ちな、学園までの配達は至さん』

「マジか」

『私が行くまでに女子に囲まれてストレスマッハ』

「マジか」


[見返りに何やらされるか…]と万里は顔を覆った。

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わず - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年9月10日 14時) (レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています!更新応援してます! (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています!ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます! (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:群青 | 作成日時:2017年6月14日 9時

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