おひめさま ページ31
「わぁぁ…Aさん、本物のお姫様みたいです!」
「マジで、超可愛いッス!!」
『はは…ありがと、椋くん、太一くん』
「俺が本気でデザインしたんだから、当たり前」
17時、MANKAI寮。201号室。
部屋の主の1人である天馬くんは、現在撮影のため外出中。
もう1人の主である幸くんは、私にドレスを着せて満足気だ。可愛いね。現実逃避しちゃう。
だってさ、ドレスがあまりにも素敵すぎてさ、私が着ることで台無しにしてるんじゃないかってさ…。
実はまだ鏡も見てないし。似合ってるのかがわからん。
「ちなみに、鏡は見せないから」
『え』
「当日まで見せないよ。まだ最終調整も残ってるし。安心して、ミスコン当日にはあんたを完璧にお姫様にしてあげる」
『ゆ、幸くんカッコイイ…ってちょっと待って、本気で?』
私が着せられているのは、淡いグレー基調のシンプルなロングドレス。
スカート部分には銀色のラメっぽいのが散りばめられていたり、控えめなレースが重ねられていたりと、主張は激しくないけど、ちゃんと可愛い。
ロングだから脚が隠れるのはありがたい。
ドレス自体も、さすが幸ちゃん、めちゃくちゃ可愛い。
ひとつ気がかりなのは…
『オフショル…オフショルかぁっ…!』
そう。オフショルダーである。
結構えぐいオフショル。胸元攻めてる。肩寒い。
「あんたデコルテ綺麗だし、いけるでしょ」
「Aさん、セクシーで素敵ですよ…!」
「せ、せせセクシーッス!!大人の色気ッス!!!」
『はは、嬉しいよ…私、自分が美人な自覚はあるんだよ』
「何急に」
『だって美人でしょ?』
「美人です!」
「むっくんに同意!」
「…まぁ、そうだね」
『ありがとう。それはそれとして、恥ずかしさはある訳よ』
しかも鏡も見せてもらえないとなると、自分で似合ってるのか否か、確認できない。
端的に言うと、自信が持ちきれない!
「大丈夫だって。ワンレンのヤンキー臭い王子様が迎えに行きたくなるお姫様にしたげるから」
「Aさんだけの王子様ですね!」
「悪い奴は皆ボコしてくれるッス!」
『そんなガラの悪い王子が出てくる童話嫌だ…』
「あんただって、中身は童話のお姫様っぽいとは言えないんだからお似合いでしょ」
辛辣ゥ…てかもはや雑…
『そして胸元の石…天馬くんのチョイス…』
「ポンコツ役者の割に、いいセンスでしょ?」
石の色は、少し鈍い金色。黄銅色、とも言えるか。
万里の劇団でのイメージカラーだ。
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わず - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年9月10日 14時) (レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています!更新応援してます! (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています!ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます! (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:群青 | 作成日時:2017年6月14日 9時