5.急ぎ ページ7
ああもう、今日始業式っていうの忘れてた……!
『ロボロ!ゾム!
こっち向け!!』
手をかざす。
彼等のボロボロだった服が一瞬にしてきらびやかな制服へと成った。
『そこでキラキラしてると遅れるぞ』
地面に転移魔法陣を書く。
彼等も同様、この土地から離れること、そして見知らぬ土地へ行くことに不安を抱いていた。
『さぁ、手を取って』
二人は覚悟したように手をとり、光る魔法陣の中に飛び込んだ。
***
入学を認められた新入生がぞろぞろと入っていく。
各々友と話をしながらだったりしてあと数刻すれば開く門の外で待機をしていた。
『……良かった、間に合ったな』
「なんかどっと疲れたわ……」
「なぁA、俺腹減った」
ロボロはいいが……
ゾム、お前は少し場をわきまえろ。
なんて言えるはずもない。
こっちの都合で連れてきたし、何よりさらに申し訳無いのが。
彼等からは
極小な魔力しか感じないからだ。
このLSUに入学出来るのは生まれたときから魔法を使えるもののみ。
多分、彼等の元に招待状が届いたのは俺の魔力の放出体質が原因だろう。
昔から魔力が制御出来なかった。
けれど魔力を自動的に出し続けることで、自分は普通の魔法使いと肩を並べて魔法を扱える
初めての学校に彼等はうきうきと、効果音がつきそうなほどの様子。
『本当に、ごめんな。』
その呟きは空気に消えた。
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作者名:かどユキ 芝 | 作成日時:2021年5月24日 23時