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妄想5 同僚と追随者ページ6

気づいた時には彼女は居なかった

｢あいつは寿退社したぞ｣

なんだ知らないのか？とか何とか言っていたが何も耳に入って来なかった

────

彼と私は幼い頃からずっと一緒だった

まさか就職先も一緒だなんて思ってもいなかったけど

｢将来、起業しようと思ってる｣

彼ならそうするだろうと思っていた

そろそろ私たちは離れる運命になるのでは無いのかと

それに楽しそうに私に言うから頑張れと応援を贈った

｢なんや他人事の様な反応するな、お前も着いてくるんだゾ？｣

これも彼らしいと思った

嬉しかった

でもそれも叶わないのだと私は分かっていた

そう離れる

運命だと

数日前

すまない、と肩を落とし項垂れている父

私の実家は自営業を営んでいる

それも今は続くかも分からない程に落ちてきたそうだ

そしてこれから私がやらないといけないことも大体察してしまう

写真に映っている方は雅未(エミ)さんという方らしい

私はこの方とお見合いをし、夫婦という仲になるのだろう

今の私には受け入れざるを得ない

抵抗が出来ない立場なのだ

─────

ｽﾊﾟﾝｯ

障子を勢いよく開けた

綺麗に着飾った彼女は驚いた顔をし

その向かいには待ってましたよと、言いたげな顔をしてる男が座っていた

｢すまないな、エーミール｣

｢いいえ、お待ちしてましたよ｣

何が起こって居るのか分からないと丸わかりの顔をしている彼女の手を取る

ああ

本当に綺麗だ

俺が最初に見れないのが腹立たしい

そう思いながら彼女の向かいに座る男の方を見た

｢任せてください、後は私が処理致します｣

｢あぁ、頼んだゾ｣

強くだけど優しく、握りしめた手を離さないように彼女を連れ出す

｢グルッペン…｣

小さく名前を呼ばれた

何も言わず俺は彼女を

抱きしめた

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いかがでしたでしょうか？

グルッペンさんのちょっとしたお話は2作目ですね

題名にある追随者(ついずいしゃ)

権力者に対して反抗などをすることができないさま

と言う意味です

なんだか、このお話にちょっとピッタリだなって思いましてね

彼女は抗えませんねぇ

権力を持つお見合い相手の男

また

主役の男からも、ね？