【あんスタ】私の方が可愛いのに。

その25 バレたのに ページ27

順調に情報を集めていたとき

「…そうだね」

「でしょでしょっ！」

『…っ…！？』

パソコンに没頭していると廊下から楽しそうな声が聞こえてきた

会長と桃李だと思う

冷や汗が背中を伝って落ちていく

隠れなきゃ。本当に此処ににいられなくなってしまう

私は咄嗟に会長の机の下に身を隠した

生徒会室の扉が開く音がする

『…っ…』

これまでにない緊張感に瞼をギュッと力強く閉じる

あれ、パソコンの電源切ったっけ...

まずい。高まる焦燥感に涙が溢れそうになり、視界が歪む

「…おや」

ふと声が聞こえて、思わず、瞼を開けてしまった

『…っ…ひ…！』

するとそこには驚くほどに冷たい眼差しで私を捉える会長がいた

「…ん？会長どーしたの？」

「...いや、何でもないよ。虫がいたみたいでね」

今、私のこと"虫"って言いました？

華の女子高生を"虫"呼ばわりだと...？

見つかってしまった焦りよりも、虫と言われたことへの怒りの方が強い気がする

というか、二人はどうしてこんな時間に生徒会室に来たんだ？

「…そーいえば、会長なんか取りにきたんでしょ？」

「あぁ、そうだったね。忘れていたよ」

私の所為でな！

めっちゃびっくりしたから、息がうまくできない

落ち着こう、確かポケットの中に...

物音をたてないようにポケットの中に手を突っ込む

固い物体の感触。よかった、あった

昨日、ひなたくんから奪い取ったいちごみるくの飴玉

今この状況で飴食べるってちょっと頭可笑しいけど、落ち着くためには必要なこと

袋から取り出してピンク色の飴を口に含む

瞬間、口の中いっぱいに甘い味が広がっていく

ハロウィンにはいろんな人からこの飴を貰おう

...なんてどうでもいい決意したところで、


「…僕はまだ用事があるから、先に行っていて」

「会長、お仕事頑張ってね！」

唯一の救いの桃李くんが生徒会室からログアウトしました。

今度こそ私は死んでしまうわ

「…さて」

はい、小泉A終了のお知らせ

「…そろそろ出て来たらどう？小泉さん」

はい、もうめっちゃ前から気づいてましたね

諦めて、机の下から這いずり出ようとした時







.







「…と、渉」


わた、わたる？

渉ってあのお方じゃないですか、ナチュラルに私を嫌うあの人じゃないですか

みんな覚えてると思うけど私マジで全員に嫌われてるからね五奇人。逆先先輩大好き

「…おやおや、バレてましたか」

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