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第四話 絶望 ページ5

「脳へのダメージが予想以上に酷く、記憶が一部無くなっているようです」


パッショーネから信頼を得ている医師は、廊下だということも気にせずそう言った。俯き、「完全に記憶が戻るのは、期待しないほうが良いかと」と付け足して。


「で…でもよ…ショック療法とかもあるよな?」


ミスタが恐る恐る、といった風に訊くと、医師は「あまりオススメ出来ません」と答えた。


「回復しているとは言え、今の状態の彼女に刺激を加えるのは危険なことだと思われます」




余りに絶望的な返答と現実に、三人は黙り込んでしまった。


ーーようやく目を覚ましたと希望を見出すことができた想い人は、記憶が無くて。


ーー心配の余り眠りが浅くなってしまっていたボスは、今度は行き場の無い虚しさを抱えて。


ーーお前はまた大事な人を失ってしまうのだと、嘲笑うかのように風は騒めく。


院内に響く話し声や、回復を喜ぶ笑い声が、やけにハッキリと聞こえてしまった。





「とりあえず…シャルと話をしてみないか?ジョルノ」


「…今の彼女と話して、何が得られるというんです」


「どこまで記憶があるのかとか、色々…」


「ミスタ」


ミスタの気遣いをフーゴは制し、ミスタはもうジョルノに言葉を言わなくなった。


ーー彼は、誰よりも無駄なことが嫌いだ。


しかし今は、現実を受け入れたくないという気持ちまでもが入り混じり、彼の判断力を鈍らせていた。



「あの……ずっと廊下にいたら冷えるよ?」



そんな雰囲気を変えるかのように点滴を打ったままシャルは無理をして廊下に顔を覗かせ、沈んでいた三人を病室に入れた。

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するめ - 恥パは一応公式の小説みたいですよ! (2021年4月3日 18時) (レス) id: 50fbe8b344 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年4月8日 0時

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