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42話 優しさ ページ46

胡珀side

うらたさんの手…優しかったなぁ…。
なんて、熱で正常な判断ができない頭は思ってしまう。

だが…

「あたま…いたぃ…」

身体の不調は治らず、体全体が悲鳴をあげている。

体を丸めこませて、掛け布団に潜った。
自分以外誰もいない部屋は静かで、物音1つしない。

「……なんだか、寂しいな…。」

目を瞑れば、いっそうこの感情が強くなる。

恋しい。
今は亡きお父さんとお母さん。
あの温もりが恋しくてたまらない。

ガチャ、とドアが開いた。
誰かを確認する気力もなく、動かなかった。

「どうしたんだよ?」

この声は、うらたさんだ。

「…。
また…撫でてください…、うらたさん…」

もう一度、撫でてください。
少しで良いから、さっきのあれが、欲しい。


布団の上から重みを感じ、撫でられていることが分かる。

やっぱり…優しい。ずっとしていて欲しい。
だが、そんな願いも虚しくその手は離れた。

「行かないでください…。離れないでください…」
「…胡珀?悪夢でも見たのか?」

そう言うとまた撫でてくれるうらたさん。
布団を剥がすと、その上からまた撫でてくれる。

「うらたさん、優しいんですね。」

うらたさんの手に自分の手を重ねると、うらたさんは明らかに動揺していた。

ふふ、強引だとか思ってたけど、優しいし、可愛いところもあるんだ。

「うらたさん、可愛いですね。」
「可愛いのはどっちだよ…。」

そう言うと、うらたさんは頬を撫でた。

・→←41話 発覚



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朧月天音(プロフ) - ねねさん» ありがとうございます!これからもがんばりますね。 (2021年2月1日 23時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 朧月天音さん» いえいえ!この作品とても面白くて大好きです!これからも応援してます! (2021年2月1日 22時) (レス) id: 49c6cbab24 (このIDを非表示/違反報告)
朧月天音(プロフ) - ねねさん» わわ、その通りです!速攻で直しました。ありがとうございます。 (2021年2月1日 22時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 失礼だったらごめんなさい28話のところ体温28度じゃなくて38だと思います。 (2021年2月1日 22時) (レス) id: 49c6cbab24 (このIDを非表示/違反報告)
朧月天音(プロフ) - 猫築かなめさん» わぁぁ!好きです((唐突すぎるわ。     ありがとうございます!うらたさんはですねぇ…次の次くらいに登場します!読んでくださりありがとうございます。本当に! (2021年1月23日 21時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2020年7月25日 21時

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