肆拾漆。 ページ48
【無一郎Side】
Aが任務から戻ってきて、今日で四日になる。甘露寺さんや伊黒さん、悲鳴嶼さんはお見舞いに来てくれたけど、不死川さんは来なかった。
胡蝶さんに聞くと、任務に行っているらしい。戻ってきたら見舞いには来るだろう。
と思っていたら案の定、不死川さんは来た。
「夜桜、まだ目ェ覚まさねえんだってな」
「そうだけど。今Aは僕が独り占めしてるから、顔だけ見たらどっか行ってよ」
「胡蝶から聞いたけどよ、お前ずっとここにいるんだろォ。欲張り過ぎだろうが」
「……四日も見舞いに来なかった人に言われても、説得力ないし」
「んだと!?俺だって、任務があったんだぞ!」
頼むから早く出て行ってよ。不死川さんはAが好きだって、見れば分かる。だからAの可愛い寝顔は見せたくなかった。
「……夜桜。早く目ェ覚ませよォ」
「本当だよ。早く起きてくれないと、好きって言えないんだけど」
「!? おい時透、お前今なんて言ったァ!?」
「目が覚めたら、Aに告白するって言った」
これは宣戦布告。
僕は身長も低いし、Aより三つも年下だ。
対して不死川さんはAより四つ年上で、柱でも上位の実力がある。自分が傷付くのを厭わないから、Aのことも命懸けで守るだろう。根は優しい人だし、条件としては不死川さんの方がいいかもしれない。
でも僕は、絶対に諦めたくない。他の何かなら諦めはつく。でも、Aだけは誰にも譲らない。
身長はこれから伸ばす。童顔はどうにもならないけど、年齢が上がるにつれ大人っぽく、男っぽくなるはずだ。何より、Aのために命を懸ける覚悟ならとっくに出来てる。
何か足りないなら補う努力をするし、Aが望むことなら叶えられるように頑張る。絶対に負けない。
「……ああそうか、勝手にしろ。俺も目が覚めたら、夜桜に言うからなァ」
「は?」
まずい。火を付けてしまったかもしれない。
「Aは僕のだから、取らないでよ」
「いつからお前の物になったんだァ!?」
「……そこまでです、お二人とも。ここが病室だとお忘れではないですか?あまりうるさいと出て行ってもらいますよ」
気が付くと、戸の前に胡蝶さんが立っていた。
「うるさいのは不死川さんでしょ。僕は大きい声出してないので」
「挑発してくるのが悪いんだろうがァ!」
「……忠告はしましたよ。お帰りください」
部屋の外に閉め出されてしまった。
最悪だ、不死川さんのせいで。
230人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わらび餅 - あおいさん» 本当に何回も、ありがとうございます!すっごく嬉しいです! (2020年3月6日 20時) (レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 題名、変わりましたね!とっても素敵です....!続きがめっちゃ気になります。次の更新も楽しみに待ってます! いつもの長文野郎より。 (2020年3月5日 21時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 萌葱なごみさん» えええ……マジですか!?全然出てこないんですけど、もしかしてスマホのスペックが低いんしょうか……。何か他の読み方は知りませんか? (2020年3月1日 20時) (レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - しまと打って探せば出てきます! (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - 嶼ですよ! (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:karin | 作成日時:2020年2月9日 20時