肆拾伍。 ページ46
……まずい、これはかなりまずい。
天元さんは重症を負っているし、柱ではない四人のことは私が守らないといけない。
全員、私の大切な仲間だ。炭治郎は素直で優しいし、善逸もうるさいけどいい子だし、伊之助もお馬鹿だけど仲間思いだ。禰豆子は鬼でも、命を懸けて共に戦ってくれる。
皆は私の大事な人たち。上弦だろうが何だろうが、絶対に死なせない。
それに――。
私自身、まだ死ぬわけにはいかない。
無一郎くんに酷いことを言ったまま、謝ることもできずに死ぬなんてできない。
必ず、生きて戻るんだ。
【無一郎Side】
「……Aが帰ってきたって本当！？」
「時透くん……。ええ、戻ってきました。ですが……。本当にお会いになりますか？」
「当然です。早く案内してください」
Aに会ったらすぐにこの間のことを謝って、言うんだ。
僕はAが好きだって。
……そう思っていたのに、一体誰が予想できただろう。
「――え？」
Aは包帯で巻かれ、体中を管で繋がれていた。包帯の上からは血が滲んで見えていた。
「なんで寝てるの……？起きてよ、A」
いくら必死に名前を呼ぼうとも、Aは返事をしてくれない。ふざけないでよ、これじゃまるで――。
「……死んでる、みたいじゃん」
「夜桜さんは今、極めて危ない状況です」
胡蝶さんが後ろから声を掛けなければ、僕はその場に崩れ落ちていたことだろう。
振り向くと、胡蝶さんは険しい顔で続けた。
「呼吸が浅いので、元のように息ができなければ回復の見込みはありません。外傷も多く、体中の骨も折れています。ですから半分ほど……死んでいる、ような状態だと思ってください」
「……Aが死ぬなんて、そんなの絶対にありえない」
「大切な人は死なない。漠然とそう思い込んでしまうのは人間の性ですから、仕方ありません。ですが……夜桜さんが無意識に生きることを放棄した場合、または呼吸が元に戻らなかった場合、確実に命を落とします。それは理解しておいてください」
「は……？ Aが、死ぬ……？」
嘘だ、嘘だ、嘘だ。……嫌だ、そんなの。
「……私も、できる限りは尽くしますので」
「はい。……取り乱して、すみませんでした」
胡蝶さんが部屋を出て行ってから、Aをの顔を見た。ほとんど息がないから、死んでいるように見えて怖い。
「早く起きてよ、A……。これじゃ、好きだって言っても意味がない……！」
ベッドの隅で、声を押し殺して泣いた。
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わらび餅 - あおいさん» 本当に何回も、ありがとうございます！すっごく嬉しいです！ (2020年3月6日 20時) (
レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 題名、変わりましたね！とっても素敵です....！続きがめっちゃ気になります。次の更新も楽しみに待ってます！ いつもの長文野郎より。 (2020年3月5日 21時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 萌葱なごみさん» えええ……マジですか！？全然出てこないんですけど、もしかしてスマホのスペックが低いんしょうか……。何か他の読み方は知りませんか？ (2020年3月1日 20時) (レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - しまと打って探せば出てきます！ (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - 嶼ですよ！ (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：karin | 作成日時：2020年2月9日 20時
