参拾参。 ページ34
「Aさん、煉獄さん!よろしくお願いします!」
「イヤアアアアア、誰この美少女!?炭治郎の知り合い!?お前、いつの間にこんな美人と知り合ったんだよおおおお!」
「イタタ……善逸、叩くのはやめてくれ。桜柱のAさんと、炎柱の煉獄さんだよ」
『……夜桜Aです。よろしくね』
「オイ!お前、強いだろ?気配からして強そうだもんな。俺と勝負しろ!」
『え?あ、消しきれてなかったかな。……ふぅ』
大きく深呼吸をする。
――落ち着きなさい、夜桜A。私はただの一般女性。鬼殺隊なんて縁もゆかりもない、気弱に暮らす人々の一人に過ぎない。
「……どういうことだ?強そうな気配が消えたぞ!」
『私、演技が得意なの。殺気ってだだ漏れだと鬼に気付かれちゃうから、こうして一般女性の役に入り込んで殺気を消してるんだ』
「すごい……。まるで父さんみたいだ」
「Aちゃんは女の子だけど柱だもんな。俺たちより年下なのに、すごいよ」
……あれ、今聞き捨てならないことが。
『私、十七なんだけど……。本当にあなた達より年下?っていうか、まだ名前も聞いてないよ』
「ええええ、嘘だろ!?俺十六だよ、俺より年上じゃない!ごめんなさいよ、馴れ馴れしくちゃん付けで呼んじゃって!」
『あ、それは別に構わないの。堅苦しいのとか偉い人扱いとか慣れないし、なんか恥ずかしいでしょ?敬語は使わなくていいよ。っていうか使わないで。これ、上官命令だからね』
この人見知り、自分でも治そうとは思っている。多少無理矢理にでも親しく話せる人が増えれば、初対面の人でも顔が固まらないはず。
「わ、わかった!えーと……。俺は竈門炭治郎で、この箱の中に入ってるのは妹の禰豆子だ。呼吸は水で、歳は十五。よろしく、A」
『うん。よろしくね、炭治郎』
炭治郎は前に一度会ったことがあるから、ある程度は話せる。問題は他の二人だ。
さっきから金髪の人はうるさいし、なんか猪の頭被ってるし。変な人以外の何でもないよ。
……あ、でもこの人の筋肉羨ましい。程よく引き締まってて、ちょうどいいかも。
「俺は我妻善逸だよ!よろしくね、Aちゃん!」
「名前か?嘴平伊之助だ。山の王伊之助様だからな、忘れんなよ」
駄目だ何言ってるかわからない。
「うむ!俺は、炎柱の煉獄杏寿郎だ!溝口少年、黄色い少年、猪頭少年、よろしく頼む!」
「溝口少年って誰ですか!知らない人だ!」
……大丈夫かな。
先行きが不安になってきた。
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わらび餅 - あおいさん» 本当に何回も、ありがとうございます!すっごく嬉しいです! (2020年3月6日 20時) (レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 題名、変わりましたね!とっても素敵です....!続きがめっちゃ気になります。次の更新も楽しみに待ってます! いつもの長文野郎より。 (2020年3月5日 21時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 萌葱なごみさん» えええ……マジですか!?全然出てこないんですけど、もしかしてスマホのスペックが低いんしょうか……。何か他の読み方は知りませんか? (2020年3月1日 20時) (レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - しまと打って探せば出てきます! (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - 嶼ですよ! (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:karin | 作成日時:2020年2月9日 20時