弐。 ページ3
カナコさんから貰ったお饅頭を持って、家に帰る。
弟の憲一と幸大は、居間に寝転がっていた。
『ただいま。遅くなってごめんね』
「あーっ、帰ってきた！」
「遅いよ〜。俺たち、寝ちゃうところだった」
『ごめんごめん。……じゃあ、ご飯作るね。今日はお母さんの誕生日だから、いつもより豪華にするよ！手伝ってくれる？』
「うん！」
「楽しみだなぁ」
三人で談笑しながら、晩ご飯の準備をする。本当に楽しかった。
ここ最近、私の帰りも遅くなっていたのだ。三人で喋ることは少なくなっていた。
憲一は、料理の腕が上がっていたようだ。幸大はまだ八つなのに、皮むきがとても上手だった。
いつの間にか、二人とも成長していたのだ。
『二人とも……。大きくなったね』
「えっ、お姉ちゃん泣いてるの？」
「玉ねぎ使ってないのに……」
『っ……いいの、気にしないで！』
こんなことで泣いているなんて、恥ずかしくて言えない。……多分バレているとは思うけれど、そこは姉の意地で押し通した。
トントン。
……戸を叩く音が聞こえた。
『憲一、開けてくれる？今、手が離せないの』
「はー、……ぃ……」
「！！ お兄ちゃん！！」
憲一の声が途中で止まり、幸大の叫び声が聞こえた。
驚いて戸の方向を見ると、血飛沫を上げる憲一の姿があった。
『……憲一っっっっ！！！』
「グヘヘヘ……美味そうな子供だなあ……」
「お、お姉ちゃん……」
『幸大、大丈夫。お姉ちゃんの後ろにいて。必ず守る。……守るからね』
「……？」
『花の呼吸 陸ノ型 渦桃！！』
持っていた包丁で、綾里から教わった呼吸を使う。
私はまだ剣士見習いで、日輪刀なんて持っていない。竹刀はあるけれど、それでは傷を付けられない。
きっと夜にはあの二人が来るだろうから、それまで包丁で細かく斬撃を入れて凌ぐしかなかった。
「……そんなナマクラじゃ、俺を殺すなんて無理だ。諦めろ、小娘」
『うるさい……！よくも、よくも憲一を……！』
気付いてしまった。
もう憲一は息をしていない。
……この鬼に、こんな奴に、殺されたんだ。
『花の呼吸 弐ノ型――』
「……だから、弱えんだよ！」
頬に傷を付けられた。
「ん？……お前、稀血じゃねえか。美味そうだなあ。顔も綺麗だし、年齢的にも喰い頃だろうなあ……」
「ただいま……って、え？A――」
『お母さんッ！！！』
そこから先は地獄だった。
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わらび餅 - あおいさん» 本当に何回も、ありがとうございます！すっごく嬉しいです！ (2020年3月6日 20時) (
レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 題名、変わりましたね！とっても素敵です....！続きがめっちゃ気になります。次の更新も楽しみに待ってます！ いつもの長文野郎より。 (2020年3月5日 21時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 萌葱なごみさん» えええ……マジですか！？全然出てこないんですけど、もしかしてスマホのスペックが低いんしょうか……。何か他の読み方は知りませんか？ (2020年3月1日 20時) (レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - しまと打って探せば出てきます！ (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - 嶼ですよ！ (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：karin | 作成日時：2020年2月9日 20時
