拾玖。 ページ20
「これから皆には、Aと合同任務に行ってもらう。全員が柱に足る実力を持っていると判断したら、正式に柱に任命する。……どうかな」
「「「「「「「「「御意」」」」」」」」」
『……え』
本当に、私が柱に?
もちろん認められればのことだと分かっているけど、本当になるかもしれない。
「じゃあ、順番は小さい順でいいかな。……無一郎、明日の任務にAを同行させる。よく見て、よく判断しておくれ」
「御意」
『……!!』
時透くん。
最終選別で会って以来だ。
まさか柱になっていたなんて、思いもしなかった。
知り合いがいるのなら、明日の任務は大丈夫かもしれない。
【無一郎Side】
今日は、十人目の柱候補との合同任務だ。
一人で戦う方が楽だし、正直言って気が重い。
『こんにちは。今日はよろしくね』
「ああ……うん」
何だっけ、この人の名前。
顔すら思い出せなかったのに、名前なんて覚えてる訳がないと思うけど……。
『夜桜Aです。……もしかして、覚えてないの?』
「人のこと覚えるの苦手なんだよね。君のことも多分、明日になったら忘れてると思うし」
『……別に、いいよ。友達を作りに任務に来てる訳じゃないから』
夜桜さんは、胡蝶さんや甘露寺さんと並ぶほどの美人だ。でも無表情で、何を考えているのか分からない。
「とりあえず、任務先に向かうよ」
『うん』
鴉の案内した村に向かうと、そこには人っ子一人いなかった。
『誰もいない……』
「鬼の仕業だろうね」
気配を探りながら、鬼を探していく。しばらくそうしていると、お堂のような所に辿り着いた。
『鬼の気配だ。多分、十二鬼月だよね』
夜桜さんが戸を開くと、そこには女の人に似た鬼がいた。屍の上に座っている。
片目には“陸”と刻まれている。
「何アンタたち、鬼狩り?残念でした、今日が人生最後の日よ」
『運が悪かったのはそっちでしょ?ご愁傷様』
夜桜さんは、さっきの無表情からは想像もできないような顔をしていた。
顔一面の笑みだ。でも、分かる。
怒っているのだと。
「血鬼術・苦辛幻想!」
鬼が血鬼術を掛け、避けたものの食らってしまった。
……悲しい思い出を脳内で再生する血鬼術か。だけど生憎、僕には記憶がないから意味がない。
『……お母さん、憲一、幸大、綾里、櫂!ごめんなさい、私が弱いせいで。ごめんなさいっ……!』
「夜桜さん?」
泣いていた。
それをどこかで見たことがあるような気がして、酷く胸が痛んだ。
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わらび餅 - あおいさん» 本当に何回も、ありがとうございます!すっごく嬉しいです! (2020年3月6日 20時) (レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 題名、変わりましたね!とっても素敵です....!続きがめっちゃ気になります。次の更新も楽しみに待ってます! いつもの長文野郎より。 (2020年3月5日 21時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅 - 萌葱なごみさん» えええ……マジですか!?全然出てこないんですけど、もしかしてスマホのスペックが低いんしょうか……。何か他の読み方は知りませんか? (2020年3月1日 20時) (レス) id: eec3d5a46f (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - しまと打って探せば出てきます! (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
萌葱なごみ - 嶼ですよ! (2020年3月1日 18時) (レス) id: be00a3fd43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:karin | 作成日時:2020年2月9日 20時