君と対等になれたら【TOP4】 (ページ10)

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俺が農園に入っていく姿をばっちりと見られてしまったのだ。俺が農園でガッチさんと話している時にいつのまにか報告されていたらしい。俺はそれを知らずにそのままうっしーの家に行ってしまった。

いつものようにゲームをしていると、扉のノックの音が聞こえ、うっしーが出る。うっしーの悲鳴が聞こえ、ガッチさんがうっしーの元へ行き、レトさんは俺に隠れるようにいう。そしてレトさんも俺を置いて行ってしまったのだ。

コンコン

牛「ちょっと俺出てくるわ。」

「りょ」

？「動くな。」

その瞬間、でかい男達がうっしーの腕を掴む。うっしーは一瞬困惑したが、すぐに俺のことだと理解する。うっしーは必死に抵抗したが、お腹を殴られ気を失ってしまった。ガッチさんはうっしーの悲鳴が聞こえ、すぐにレトさんに何かを伝え下に降りていく。俺たちがゲームをしていたのは2階だった。

レ「キヨくん。いい、その裏ドアからこっそり逃げるんや。」

「…でも、レトさん達は」

レ「いいから！！キヨくんが捕まったらどうなるかわからないんよ。」

そんな話をしている間に、2階を上がる音がする。レトさんは俺を裏ドアに押し、逃げろと目で合図を送る。その時のレトさんの目が怯えていて。俺は何も考えられずに必死で逃げ、後ろを振り返らずに逃げた。俺の頭は真っ白で、ただ遠くに行かなきゃという思考でいっぱいだった。

＿＿＿＿＿＿ほんとは戻りたい。戻ってみんなとずっと一緒にいたい。みんなを連れてどこか遠くに逃げたい。

どれくらい走っただろう。涙で前が見えなくなり、俺は立ち止まった。もう捕まってもいい。そう思って振り返ると、そこには誰もいなかった。もうとっくに景色は暗く、シンと静まり返っていた。

俺は座り込み、涙を流した。なんでこうなってしまったのだろうか。

いや、俺が巻き込んだから。俺が大人しく城にずっといれば。みんなに出会っていなければ。

ガッチさんと出会っていなければ。

しばらく時間が経った後、俺は城に戻ることにした。みんながいるかもしれないから。そんな甘い希望を持って、必死に走る。裸足で走っているため、石が当たって痛い。でも今の俺にはそんなことを考える余裕はなかった。

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