【Ki】『私、バイトなんで。』take21

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Fuji









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藤「原因…」









タマのその言葉に、そう古くない記憶を辿る。









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藤『着いて行こうか？』









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北『…や、大丈夫』









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そうだ。









当事者である北山は翌日の夜、






ようやく事務所から呼び出された。








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藤「…ってことは、」









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玉『うん』









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玉『その時が、分岐点だったんだと思う』









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声しか聞こえないせいなのか。









それとも、普段では有り得ないくらいの、






推理力を発揮するタマのせいなのか。









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ぶっちゃけ、俺は動揺した。









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藤「でも、あんなにあからさまに態度を変えるなんて、」









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藤「一体、何をダシにされて北山は…？」









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その動揺が悟られない様に、






平静を装ったはずだったけど。









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玉『逆に聞くけど、ミツをそこまで変えちゃうくらいの影響力を持つものって、』









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玉『ひとつしか…ないよね？』









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ほんの少しだけ間が空いたのは、






タマも動揺しているからなのだろうか。









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さっき感じた“違和感”の理由もわかった。









ごく自然に、俺は自分で、






“それ”を口に出していたからだ。









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藤「北山、ちゃん…」









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そして今、再び声に出してみると、






それはもう、恐ろしいくらいに。









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とんでもなく悪い予感しかしなかったんだ。









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