7話 ページ8
初めは戸惑いしかなかった
『可愛Aです』
苗字にぴったりのとても愛らしく可愛い女の子はきょろきょろと落ち着かなさそうな様子であたりを見回している
祖父同士が決めた許嫁
初めて話を聞いた時は耳を疑ったし、正直どうしたらいいかわからず困った
何故なら彼女はエマと同い年、俺より11も年下だったからだ
せめて同い年ぐらいなら
と何度嘆いただろうか
彼女がまだ赤子の頃何度か会ったことがあるが
改めて今日彼女の姿を見て、俺が守ってやらないと、そう思った
「シンイチロー、何こいつ？」
万次郎がそう言うのに思わず苦笑いしてしまう
エマがうちに来た時もそうだったが、こいつはデリカシーがなさすぎる
「俺の将来の嫁さんだから2人とも仲良くやるんだぞ」
結婚すると言われても実感が湧かないし、何より俺はロリコンではないので対象外ではある
でも俺だけじゃなくこの子も被害者
なにも悪くない
まぁすぐに結婚なんて話にはならないし、もう1人妹が増えたと思うか
あれから数年
初めて会った時には比べ物にならないほど、俺たち家族は打ち解けたと思う
Aとは許嫁とは言っても兄妹のような不思議な関係だ
最初こそ俺に気を遣っているのかぎこちなかったが、今は『真くん、真くん！』と駆け寄ってくる姿が愛らしい
ある日バイク屋で黒龍の奴らとAと話している時
話題がメンバーの彼女の話になった
「もうすぐ彼女の誕生日なんですけど、何あげたらいいと思います？」
「やっぱりペアアクセとかじゃねぇの？薔薇の花束を渡して…」
『恥ずかしすぎる…そんなんだから20連敗なんだよ』
我ながら100点満点の回答をしたと思ったがAにつっこまれる
と同時に黒龍の奴らから笑いが起きる
失礼すぎるだろ！
『でも、お揃いのアクセサリーは嬉しいかも。本当に自分を好きな人が自分を考えてプレゼントしてくれるんだもん。お花だって、両思いで、好きな人からもらえるなら羨ましいな』
そう言い寂しく目を伏せるAがいたたまれなくなる
親が決めた許婚
俺のことを本当に好きになるのは難しい話だろう
「Aちゃん、大丈夫っすよ！真一郎くんが欲しいものならなんでも買ってくれますから！」
『本当…？じゃあまずは携帯電話が欲しいな！』
「う……大丈夫だ、なんでも買ってやろう！」
流石に恋愛対象には見れなくても
本当に大切に思っているのは本当なんだ
もう少し成長したらペアリング買ってやるのもいいかもしれんな
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かな(プロフ) - 無関さん» ありがとうございます！今確認したら誤字だらけでしたすみません！またこれからも誤字するかもですがすみません! (2021年11月2日 21時) (
レス) id: 44a3c38fa1 (このIDを非表示/違反報告)
無関 - すげぇ面白かったです！！あと恐縮なのですが場地さんの字が「馬場」になってますよー！ (2021年11月1日 22時) (レス) @page5 id: dbba37e842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かな | 作成日時：2021年10月27日 21時
