9.甘い日常 ページ10
「おかえり、A」
『ただいま。もう仕事終わったの?』
帰ってくると夏油君は変な教祖様風の服を上だけ脱ぎ捨て、アイスを食べていた。
髪は高専の時の様に上にお団子にしている。
「おわったよ〜、今日は3人。朝が起きれない猿、仕事でミスばかりする猿、上から物が落ちてくる猿、どれもこれも低俗で嫌気がさす」
毒を吐く夏油君にズカズカと詰め寄り、口をつねる。
『こらっ、お口悪いよ?』
「ひゅみまふぇん(すみません)」
素直に謝ったので許す。
『久しぶりにみたよ、その髪型。懐かしいね』
「今日は暑すぎるからね〜
そういえばさ、Aの制服どうしたの?」
『今日それを隠してきた』
「えぇえーー!なんでなんで!!」
『あんたが勝手に取り出してくるからでしょーが!』
「うぅ…グスンッ」
嘘泣きしたって効きません。
『そうだ、やっぱりあの廃ビルに準一級程度の呪霊がきちゃってさ、捕まえたかったんだけど、ごめん祓っちゃった』
ってか捕まえ方なんて未だにわからないんだけどね。
「あぁいいよ。それぐらいのならもうだいぶ集まったからね。やっぱりAは呪霊を引き寄せる体質なんだね、羨ましい」
『羨ましいって言うのは夏油君ぐらいだよ』
ふっと笑いながら私はテレビをつけた。
「また猿どものぐだらない番組を見るのかい?意味がわからん」
食べ終わったアイスの棒をゴミ箱にホールインさせた夏油君は、そのままソファーの背に両腕をかけて天井を仰いだ。
私は隣に座っているので必然的に私の頭の後に彼の腕がある。
『普通ならここできゅんってするんだろうなー』
「口に出てるぞ」
『ふはっ、ごめんって拗ねないで』
拗ねて口を尖らす夏油君の頬に、私の唇を押し当てる。
驚いた顔をしてフリーズしている彼を横目に、数日前に録画していたドラマをかける。
『ほら始まるよ?これ3rdシーズンなんだけど、なかなか面白いんだよー主題歌変わらないところとか、スタッフ陣わかってるよね〜』
真っ赤な顔をして、あの大きな体が小さくなって、私の横で一緒にドラマを見てる。
私の左手と、彼の右手はしっかりと繋がれていた。
『これ手繋ぎながら見るような恋愛ドラマじゃないんだけどね?』
「ムード壊さないで!!」
164人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yoku(プロフ) - 鬼滅より呪術派さん» 私もどちらかといえば呪術派ですね😚 (2022年12月24日 23時) (レス) id: 39058f50de (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅より呪術派 - (゚∀゚)アヒャ (2022年9月13日 10時) (レス) @page10 id: e04f466ec6 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 花梨さん» 登録、させていただきました!!!私も更新、楽しみにまってます! (2022年6月6日 23時) (レス) id: ea5a80f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - yokuさん» はい! 題名は、《呪術廻戦》孤独な愛情と言います。 (2022年6月6日 16時) (レス) id: 8e5a2f605a (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 花梨さん» そう言っていただけるととても嬉しいです!!はい、ぜひ読ませて頂きたいです!!! (2022年6月6日 9時) (レス) id: ea5a80f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yoku | 作成日時:2022年5月29日 22時