4.挨拶 ページ5
アジトに戻り、幹部の招集を秘書に言い渡した。
「かしこまりました、夏油様」
そう言って秘書は出て行った。
『で、それは何?』
「えー約束したじゃん!高専時代の制服着てくれるって!」
『してない!そんなもんまだ置いてたの?!』
「ぷ〜・・・だって、ずっと顔が暗いよ?」
心配してくれているのがわかる。
高専を出てから、夏油君はずっと私を気遣ってくれている。
『ちょっと、挨拶だけでもしとこうかな。緩衝材はいつも私の役割だったでしょ?』
夏油君は私の隣に座り、私の肩に頭を乗せてきた。
『大丈夫、ちゃんと帰ってくるよ』
「うん…行ってらっしゃい」
彼は気をつけてとは言わない。私が怪我をしないことを知っているから。
数週間後、私は東京のある廃ビルに足を踏み入れた。
『あっつ〜髪切りた〜』
黒く長い髪をパタパタとして首元に風を送る。
ここの廃ビルには呪霊が湧き始めていることは調査済み。
ついに解体業者の人が犠牲になったと聞いて、そろそろ高専が動く頃だと踏んで待ち伏せる。
『来たね』
窓から下を見下ろすと黒い車が停まっている。
『今日は、乙骨君と眼鏡の女の子』
後輩を鍛えてあげないと、ね。
そして、補助監督が帷を下ろす前に私が下ろす。
『闇より出でて闇より黒く
その穢れを禊ぎ祓え』
辺りが暗くなり始める。
とてもゆっくりに思えた。
『この瞬間が、好き』
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yoku(プロフ) - 鬼滅より呪術派さん» 私もどちらかといえば呪術派ですね😚 (2022年12月24日 23時) (レス) id: 39058f50de (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅より呪術派 - (゚∀゚)アヒャ (2022年9月13日 10時) (レス) @page10 id: e04f466ec6 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 花梨さん» 登録、させていただきました!!!私も更新、楽しみにまってます! (2022年6月6日 23時) (レス) id: ea5a80f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - yokuさん» はい! 題名は、《呪術廻戦》孤独な愛情と言います。 (2022年6月6日 16時) (レス) id: 8e5a2f605a (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 花梨さん» そう言っていただけるととても嬉しいです!!はい、ぜひ読ませて頂きたいです!!! (2022年6月6日 9時) (レス) id: ea5a80f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yoku | 作成日時:2022年5月29日 22時