11．お届け物(2) ページ12
乙骨side
「はぁ…はぁ…五条先生どこいったんだろ…」
校舎を探しまくるがなかなか見つからない。
そういえば、まだ見てないところがあった…
"音楽室"
全く使われていないこの部屋。
校舎の外れにある。
音楽室にあるはずのピアノすらない、ただの空き部屋。
埃を被ったそのドアを開けると、探していた人物がいた。
教室の片隅で、制服を抱いて座り込んでいる。
よく見れば肩が小刻みに揺れていた。
「ご、五条せ…」
「出て行け」
こんな五条先生は初めてだ。
そっと、入ってきたドアを閉める。
この教室には僕と先生の2人きり。
正直、怖い。
怖いけど、僕をいつも助けてくれた先生。
その先生が何かに苦しんでいる。
放っておくことなんて、できない。
「羽衣Aさんと、お知り合いなんですか？」
僕の言葉に、先生の目が見開く。
「なんで、その名前を…」
すーっとこちらに目線を合わせてくる。
その目には、この先も見ることはないかもしれない、涙。
「それを僕に渡してきた人の名前です。必ず五条悟に渡してほしいと頼まれました。そして…」
僕は先生に近づき、先程落としていったメモを手渡す。
それを見て、涙を浮かべながらふっと笑った。
「たしかに、Aの字だ」
小さなメモの字を指でなぞる先生。
あぁ、この人は…
「愛してるんですね」
「…あぁ」
愛しそうに白い制服を抱きしめる先生。
僕はなんて声を掛ければいいのかわからなかった。
「伝言も頼まれました。
"約束、守れなくてごめん"と」
僕には何のことかわからない。
でも、五条先生にはきっとわかるんだろう。
しばらくの間、沈黙が流れた。
ここだけ、時が止まったかのようだった。
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yoku(プロフ) - 鬼滅より呪術派さん» 私もどちらかといえば呪術派ですね😚 (2022年12月24日 23時) (
レス) id: 39058f50de (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅より呪術派 - (ﾟ∀ﾟ)ｱﾋｬ (2022年9月13日 10時) (レス) @page10 id: e04f466ec6 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 花梨さん» 登録、させていただきました！！！私も更新、楽しみにまってます！ (2022年6月6日 23時) (レス) id: ea5a80f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - yokuさん» はい! 題名は、《呪術廻戦》孤独な愛情と言います。 (2022年6月6日 16時) (レス) id: 8e5a2f605a (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 花梨さん» そう言っていただけるととても嬉しいです！！はい、ぜひ読ませて頂きたいです！！！ (2022年6月6日 9時) (レス) id: ea5a80f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yoku | 作成日時：2022年5月29日 22時
